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ドラゴン・タトゥーの女特集 [ミステリ]

スウェーデンということで、まずはクイズから

①首都はどこ?

(答え)ストックホルム

さて、スウェーデンといえば、

なんといっても、フリーセックスの国。あとは、かつての軍事大国(ノーベルのダイナマイトとか)。それとABBA(アバ)。

残念ながら、作者のスティーグ・ラーソンは50歳で、出版前に死んだそうです。彼はジャーナリストが本業で本当に、親ナチに狙われていたそうです。これが、この偉大な作品を生んだ一因のようですね。

このお話、出だしはローラ・パーマー殺人事件風。当時16歳だった美少女の写真が印象的。

誰がハリエットを殺したのか?果たして、ハリエットは生きているのか?

今晩のAXNでの特集番組をみたところ、今回のハリウッド版は、人物関係は原作どおりのようです。テレビドラマでは、ハリエットが財閥会長(ヘンリック)の弟の娘ということになっていましたが、原作・本来は年の離れた長兄(リカルド)の孫娘ですからね。ヘンリック自体は5人兄弟の末っ子。

なお、今回の30分特集番組ですが、ちっとも面白くなかったですね。スウェーデンの国情や作品の背景などへの突っ込みがまるで足りませんでした。明日の、ミステリchの特番

『ミレニアム・ベストセラー誕生の裏側』

(午後6時30分~7時30分)に期待です。

 


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ドラゴン・タトゥーの女(第3話) [ミステリ]

リスベットが解読した暗号。先頭の数字3はレビ記を示している。だが人名は何なのか?

マグダ 30112 サラ 32016 BJ 32027 LI 31208 マリー 32018 

レビ記第二十章第16節

女が獣に近づき、これと交わるならば、女と獣とを殺さなければならない。血を浴びよ。

レビ記第一章第12節

切り分けて頭と脂肪とともに火にくべた薪の上に並べること。 

レビ記第12章第8節 

山バトか家バトを生贄とし、焼いて捧げよ。祭司が贖えば、女は清まる。

レビ記第二十章第27節

男女を問わず交霊術や占いをする者は、石にて殺されねばならぬ

当時16歳で、家族にもナチ党員が多く、宗教とは無縁といっていい環境で、なぜ急にハリエットは宗教に興味をもつようになったか?疑問に思うミカエル。車は地球に優しくないと言って、リスベットのバイクでオットー・ハルク牧師に会いに行く。牧師は生きているハリエットを最後に見た人物今は介護ホームに入所している。ボケているのか牧師はアニタのことを話し出す。アニタは活発で、ハリエットは内向的な性格であった。

アニタとハリエットは瓜二つだった。ハリエットは父の死後もけっして信心深くなったわけではないという。さらに内向的になったという。どうやら聖書の暗号には、別の意味がありそうだ。

リスベットがパソコン検索の結果、 1962年サラ・ヴィットという女性が牛舎で殺害され、遺体は宗教儀式のように切り刻まれていた。事件は未解決。現場は遠いので、今度は車で行くことにする。レンタカーを借りるがミカエルは久しぶりの運転でビビる。

車中でリスベットは新聞社のデータベース検索を続ける。現場についた2人は、サラ・ヴィット事件の記事を書いた記者に、現場の牛舎を案内してもらう。聖書の記述どおり、女性は牛とともに殺されていた。

リスベットはさらに、マグダ・ロヴィーサという女性の事件も検索して発見する。1954年の事件だ。その現場に赴く車中で、リスベットはさらに、1964年、マリー殺人事件も発見する。マグダ事件の現地の警察で当時の記録を見せてもらう。ミカエルは殺人事件の番組をつくるためとウソをついて警官に資料を出させた上に、全部コピーまでさせてしまう。死体の写真をみると脂肪が切り取られていた。さらに、頭とともに切り離されて並べられていたという。

これで、過去に聖書模倣犯があったことが確実になった。

LIの暗号。これはリヴ・イングヴァルションかも?彼女は殺害された娼婦だ。今度は来た道を引き返すことになる。

残るはBJだ。これはまだ検索してもヒットしない。

ミレニアム社にて。嘱託職員のマーリンはヤンネがスパイだと編集長のエリカに告発する。そして、彼を利用して情報操作しましょうと提案する。

車で調査から帰宅した二人。リスベットは部屋の気配から、誰かが侵入したという。写真や資料の配置も違っているという。恐るべき記憶力。案の定、ドアの鍵にもこじ開けられた跡が・・・。夜、ミカエルのベッドにリスベットが侵入してくる!彼にまたがり腰を動かす。

依頼主の大富豪ヘンリックの病院を見舞ったミカエルは、彼に最後の暗号BJについてはモレル警部に会えと示唆される。暗号が聖書の模倣犯だと知った警部は驚く。てっきり、電話番号だと思い込んでいたからだ。

一族が集まってくる。彼らはミカエルの調査を止めさせようとしている。そのとき、ミカエルはアニタの姉セシリアがハリエットのネックレスをつけているのに気づく。子供のときの記憶がよみがえったのだ。とがめるミカエルに対して、これはアニタのものだという姉。ミカエルは、写真の女性が実は、ハリエットでなくアニタだったのだと気づく。アニタは事件後ロンドンへ渡りガンで37歳で死んだ。(20年前)。彼女は犯人を知っていたのではないか?

朝のランニング中、ミカエルはライフルの射撃を受ける。弾丸は頭をかすめるが、皮一枚で助かる。警部は相手が本気なら、死んでいたと冷たく言う。現場検証するが、なぜか弾も薬きょうも見つからない。リスベットは部屋に隠しカメラを設置する。

早朝、モレル警部が訪れる。レバッカ・ヤコブソン。愛称ベア。BJだ。しかもヴァンゲル社の一員で、しかもハリエットの父であるゴッドフリートの秘書であった。彼女は石で撲殺されていた。

ミカエルはレベッカはユダヤ名であることに着目する。マグダはマグダレーナのこと。有名なマグダラのマリア。(ダビンチコードでいう、イエスの恋人。一般的には娼婦といわれる。)そうすると、リヴは創世記のイヴにあたる。きっと彼女もユダヤ人だ。被害者は全てユダヤ人だったのだ。つまり、すべてがユダヤ人を殺害するためのナチの企てだったのではないか?熱狂的なナチ党員のヴァンゲルの一族の誰かが、出張先でつぎつぎに処刑をおこなっていったのではないか?そして、その犯行パターンにきづいたハリエットはころされてしまったのではないか?


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ドラゴン・タトゥーの女(第2話) [ミステリ]

ドラゴンタトゥーの女、リスベットは身辺調査後もミカエルに興味をもち、彼のパソコンをハッキングしていた。駅でチンピラとケンカした際にパソコンを壊したので、今は友達のパソコンを借りているのだが、処理速度が遅い。後見人に、パソコン代金を出すよう頼むが、この弁護士が悪徳弁護士でリスベットの胸に手を入れた後、脅してリスベットに〇〇〇を舐めさせる。弁護士の一言で、精神病棟に戻されてしまうので、仕方なく相手のいいなりならざるをえないリスベット。

ミカエルは、こども祭りのときの写真を分析し、ハリエットが誰かの姿をみとめて、逃げたことを突き止める。おそらく、それが犯人である。当時の写真を撮ったカメラマンの新聞社は、現在は富豪ヘンリック(ミカルエの雇い主)が社主をつとめる新聞社で、簡単に当時のネガを全部分析できたのだ。

ミカエルは分かれた妻夫婦の家で夕食後、自分が嵌められた状況を説明する。現在は夫婦とも友人関係ということらしい。(なお、妻とは娘がいるらしい。) 

島へミレニアムの共同経営者のエリカがやってくる。二人はエリカの夫公認の愛人関係でもあったので、さっそく〇〇する。二人でヘンリックとランチするが、ヘンリックはミレニアムに出資することを申し出くれる。理由は『判官びいき』ということで。しかも編集に口は出さないとの好条件であった。

リスベットは再び、弁護士に金を要求する。今度は手錠を嵌められて強姦されるが、苦肉の計でその状況を隠しカメラでしっかりと録画する。新弁護士はサディストであった。

ミカエルはさらなる調査で、犯人らしき男の写真を手に入れる。ただし、ピントが合っておらず、加工をしても顔がはっきりと認識はできないのだが。

リスベットが弁護士に逆襲する。刺青用の電気針で気絶させた後、裸にひんむいて手錠でしばり、浣腸でお仕置き!さらに彼の腹に『私はサディストの悪魔、レイプ男です』と刺青をほどこす。そして、今後は財産を自由にできるようにし、1年後には後見人なしにするようにと約束させる。

ミレニアムでは会社の存続が決定して、祝杯を挙げる。残業中に、マーリン(女)はミカエルへ送ったメールがダールマンのパソコンに入ることを偶然発見する。ダールマンは、サーバーのエラーだろうととぼける。実はダールマンこそが敵のスパイだった。

ミカエルの発見した暗号(マグダ、サラ、BJ、LI)を、聖書のページ・節・行だと見破ったリスベットは、匿名(スズメ蜂=ワスプ)で情報をメールで送る。ミカエルはハリエットの聖書から語句を抜き出す。

マグダ 30112 サラ 32016 BJ 32027 LI 31208 マリー 32018 

女が獣に近づき、これと交わるならば、女と獣とを殺さなければならない。血を浴びよ。

レビ記第一章第12節

山バトか家バトを生贄として、焼いて捧げよ。

BJ 32027

交霊術をするものは死刑に処されなければならない。石を投げられ殺されるのだ。

依頼主のヘンリックが心臓発作で倒れてしまう。ヘンリックの弁護士に、匿名でメールしてきた相手の心当たりはないか尋ねる。

翌朝ミカエルはリスベットの部屋を訪問する。彼女に助けを求める。いい報酬にもなるし。でないと、ハッキングで通報するといわれては承諾せざるを得ません。


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ミレニアム完全版 [ミステリ]

北欧スウェーデンのドラマ。製作は瑞典、丁抹、独逸(スウェーデン、デンマーク、ドイツ)。

前からやっていましたが、くだらないアクションものだと思って見ていませんでした。だってタイトルが

ドラゴン・タトゥーの女ミレニアム第一部)

ですよ!てっきり、カンフーものかと思っていましたね。原作はスウェーデンで目茶売れした本らしいですね。昨年あたり映画にもなっており、第三部まですべて映画になっていますね。

ヴェンネルストレム社への名誉毀損裁判で禁固刑の有罪判決を受けた左翼系雑誌『ミレニアム』の記者ミカエルは、クリスマスの朝に突然、電話で老大富豪ヘンリック・ヴァンゲルに呼び出される。収監されるまで半年間に、40年前の姪ハリエットの失踪事件の再調査をしてほしいと依頼される。実は、子供のときミカエルはハリエットに遊んでもらったことがあるのだった。

冬は凍りつきそうな一軒のコテージをあてがわれたミカエルは、老人の集めた捜査資料や家族関係をおさらいしていく。富豪の兄弟たちの中には極端な右翼ナチのものも多い。(長兄は戦死している。)ミカエルは、ハリエットの残した日記帳を読み返していく。日記帳には謎めいた数字が・・・。

やがて、助手としてピアスだらけのやせた女性(ロックの歌手みたいな男おんな)リスベットをつけられのだが、それがドラゴン・タトゥーの女らしい。ちょっと精神的にイカレテいる女だけど・・・。(実は天才ハッカー)

気になるのは、この女、ドラマ(ノオミ・ラパス)と映画で女優さんは同じなのだろうか?

老富豪は、一族(30人あまり)の誰かが、お気に入りの孫娘を殺したに違いないと思い込んでいる。ただし、死体は発見されず警察もお手上げでお宮入りしている。だが、富豪のもとには、孫娘がいなくなったあとも彼女と同じ押し花のプレゼントが毎年、送りつけられているのだった。

とにかく面白そうなので、今後は毎週水曜日の放送が楽しみです。もっとも映画のほうを見れば、一気にかたずきますけどね。主人公のミカエルは、大企業を告発する記事を出して名誉毀損で敗訴している。第三部は法廷物になる。(眠れる女と狂卓の騎士)

第一部 ドラゴンタトゥーの女 謎解きミステリー

第二部 火とたわむれる女  クライム・ミステリー

第三部 眠れる女と狂卓の騎士 法廷ミステリー

登場人物

ミカエルの妹アニカ(弁護士)、その夫、その娘二人(ミカエルの姪たち)

エリカ 『ミレニアム』の編集長、共同経営者、かつミカエルの愛人。

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運命の裏木戸~おしどり探偵 [ミステリ]

一週間の予報が雨だったので、いよいよ入梅かと思いましたが、予報に反して昨日・今日と暑い日になりました。今期初の冷房の出番です。

全米オープンとモンド杯のため中断していた読書を再開。トミーとタペンスのおしどり探偵の最終編・『運命の裏木戸』です。前作の『親指のうずき』からさらに時が経過しており、(作中で具体的な年齢描写はありませんが)二人とも75歳を過ぎているという設定だそうです。だけど、いくらなんでも、それじゃマープルおばさんより歳じゃないか!?と思ってしまいます。

おしどり探偵は4つの長編(秘密機関・NかMか・親指のうずき・運命の裏木戸)と、短編集の『おしどり探偵』があります。短編の中の10編と秘密機関はイギリスのドラマでこの春、全部見ました。タペンスは本名はプルーデンス・カウリーといって、大牧師の娘ということで中流階級だとは思いますが、上流階級を装うくらいの知識や身のこなしを備えもっているようです。全米OPを制覇したローリー・マキロイが完全に労働者階級なのと対照的。

ただ、この作品を先に読んでしまうと、前作『NかMか』の内容がわかってしまうので、ちょっと・・・。[ふらふら]

このシリーズ最終作品は、アガサも80歳すぎとなっており、実質的な遺作ともいわれています。タペンスに自分の人生を重ねていたのかもしれませんね。


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忘られぬ死①~アガサ・クリスティ [ミステリ]

忘られぬ死(原題はSparkling Cyanide 煌めく青酸カリ) 

ポアロもマープルも登場しないアガサ中期の秀作。

見るドラマがないので、夕べから読み始めた。いち早く、真相をつきとめられるか?

登場人物 

アイリス・マール(女) まだ21歳になっていない。

ジョージ・バートン(男) アイリスの義兄。自殺した姉ローズマリーの夫。15歳年上。

ルース・レシング(女) ジョージの有能な秘書。 

ルシーラ・ドレイク(女) アイリスの父方の伯母。

アンソニー・ブラウン(男) 死んだローズマリーの友人。

スティーブン・ファラデー(男) 死んだローズマリーの友人。有望な若手政治家。

アレクサンドラ・ファラデー(女) スティーブンの妻。

 

第一篇 ローズマリー

 1 アイリス・マール

  1

 アイリスは1年前に自殺した6歳上の姉ローズマリーのことを務めて思い出さないようにしていた。姉の検死審問の後、いまわしい出来事は全て忘れてしまうのがよいと思っていた。だが、夕べ義兄(死んだ姉の夫)に思いがけず会い、彼が机の引き出しから取り出した手紙を見せられたことで思い出さないわけにいかなくなった。最近のジョージは、ふさぎがちで、上の空で行動もなぞめいている。そうなる前兆が何がなかったか?だから、今は全てを思い出さねばならない。

思えば、アイリスは姉のことを客観的に考えたことはなかった。

アイリスが幼いころ、6歳年上の姉は机に向かって『お勉強』していた。歳が離れていたために、姉が寄宿舎(※イギリスでは伝統的に寄宿学校に入れる慣習がある)に入ってるころは休暇にしか会わなかったし、逆に自分が学生のときには、姉はパリで花嫁修業というありさまだった。そしてそれ以降も、二人はあまり顔を合わせることがなかったのだ。パリから戻った姉は見違えるように美しく、艶やかになっていた。

姉が家に戻った後も、自分は家庭教師つきの規則正しい生活、一方姉は社交界にデビューし、夜のパーティ、朝は寝坊というすれ違いの生活であった。二人姉妹のつきあいといえば、ごくわずかな言葉のやりとりに過ぎなかった。

 それにしても、姉はなぜ15歳も年上で、退屈なジョージ・バートンと結婚したのだろうか?姉の周りにはたくさんの男性がいたはずだ。義兄のジョージ自体も金持ちだったが、姉はお金目当で結婚したわけではない。なぜなら、姉にはそれ以上の財産があったからだ。

 姉の名づけ親であった、亡き母の友人(恋人?)であるポール・ベネットの遺言で、ローズマリーは彼の相続人となっていたからだ。優しい『ポールおじさん』の財産をローズマリーが相続したのは13歳の時であった。

今でもアイリスは姉はジョージと結婚して不幸せだったとは思っていないが、彼を愛していたとはどうしても思えないのであった。二人はアイリスが16歳の時に結婚した。一年後に母ヴィオラ・マールが死に、アイリスは姉夫婦と一緒に住むようになった(エルヴェストン・スクウェア)。

母は姉のローズマリーばかりに気持ちをそそいでいた。学校、家庭教師まかせではあったが、体の許す限り、姉のことには手をかけた。だが、そんなことをアイリスを不満に思ったことはなかった。ローズマリーこそが大切な子供であるという事実を、彼女はなんのこだわりもなく受け止めていた。二人の父親、ヘクター・マールはアイリスが5歳の時に死んだ。かなりの酒飲みで体を害したのだった。

姉夫婦の家で、アイリスはフランス語・ドイツ語・家政学の勉強に明け暮れた。社交界へのデビューは1年間待たされることになった。義兄のジョージは本当の兄のように優しくしてくれた。だが、姉は留守がちでほとんど顔を合わせることがなかった。

こうして考えてみる、一体自分は姉について何を知っていたのだろうか?と思わざるを得ない。しかし、今は思い出してみねばならない!そしてそれはとても重要なことかもしれない。

確かにローズマリーは一見、幸せそうに見えた。あの日・・・あれが起こる一週間前までは。

あの日のことは決して忘れないだろう。一週間ほどのインフルエンザあけの姉ローズマリーの居間に入ると、姉がテーブルの上にうつぶせてすすり泣いていたのだった。姉が出た後、テーブルを見ると手紙があった。

   かわいいアイリス 

      どっちみっち、私のお金はあなたにいくのですから・・・

一体、姉は死ぬつもりだったのだろうか?さて、姉の財産のことだが、本来であれば夫である義兄のジョージにいくはずだ。だが、姉の財産はポールおじさん(もちろん、本当の伯父ではない)のものだから、あらかじめポールおじさんの意思で、姉が死んだ場合は姉の子供に、子供がいなければ妹のアイリスが相続するということになっていたのだった。アイリスはそのことを、そのときに初めて知った。ただ、確かになぜポールおじさんの財産が全て姉のものになったのかは不思議であった。二人とも師妹なのだから平等に分けられてもよかったはずだ。

アイリスは手紙をそのままにしておくべきか考えたが、結局、その便箋を二つ折りにしてテーブルの引き出しにしまった。

検死審問では、インフルエンザ後のうつ状態による自殺という結論となった。だって当時は、それ以外の動機を見出すことはできなかったのだから。

だが、今、あの屋根裏部屋での出来事を思い起こしてみると、なんと自分が物事にうとかったのかと不思議でならない。姉はなぜ、誕生パーティで死んだのだろうか? 

姉の葬儀の後、弁護士は故ポール・ベネットの意思により、ローズマリーの財産は全て妹のアイリスのものになるべく委託されているということを説明した。それはアイリスが21歳になるか、結婚した時に相続されるという条件であった。今後の身のふりかたとして、アイリスは義兄の家にそのまま居り、父方の伯母であるルシーラ・ドレイクに来てもらうことにした。彼女には、金をせびるドラ息子がいた。半年後、アイリスは屋根裏部屋である発見をすることになる!

トランクの中の化粧着のポケットの中から見つけた手紙。それは姉から『愛しい豹(レパード)』に宛てたラブ・レターであった。中身は『豹』からの突然の別れ話に姉が動転しているものであった。

アイリスは姉のことを全く知らなかったことに愕然とする。それにしても、この『豹』とは一体誰なのか?思い当たる男性は、スティーブン・ファラデーとアンソニー・ブラウン。アイリスはこの手紙を、自分の宝石箱にしっかりとしまった。    

姉が死んだ後いなくなっていたアンソニーが再び姿を現したのは、手紙を発見した一週間後であった。ローズマリーが死んだのが11月。翌年の6月、パーティでアイリスはアンソニーに再会する。旅に出ていたという彼と、その後アイリスは週に一度は会うことになる。だが、およそのんきであった義兄のジョージが『アンソニーという男はいったいどうゆう男なんだい?』と詮索するようになったのだ。

ルシーラ伯母のドラ息子、ヴィクター・ドレイクから200ポンドの無心がくる。ジョージはルシーラの株を売ったふりをして50ポンドを立て替えて送金する。

義兄の態度が不自然になったとは一体、何時ごろからだったか?やがてジョージは完全に心配事を抱えた、やつれた表情をするようになった。義兄はアイリスに、ローズマリーに敵はいなかったか?と尋ねてきた。さらに、政治家のスティーブンとその妻アレクサンドラのことを尋ねるようになった。

6月の月末、ジョージョは突然サセックスの田舎に別荘を購入する。だが、その目的はスティーブン・ファラデー一家とご近所さんになるのが目的だったと判明する。8月から9月まで、一家は郊外で暮らし、ファラデー一家と親交を深めた。ジョージは毎晩、酔ったような表情をしていた。アレクサンドラ夫人は如才なく立ち回っていたが、その本心はつかめなかった。10月になり、一家はロンドンへ戻る。

以上が物語りの導入部。

私の推理

ローズマリーの本当の父親はポールおじさんではないのか?それを苦にして、父親は酒びたりなっていたのではないか?

『愛しい豹(レパード)』が男性とは限らない。もしかして女だったかも?

  


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アクロイド殺し [ミステリ]

アガサのポアロもの。初期の作品で名作の呼び声が高い。ブックオフの105円コーナーにあったので、読んでみた。論理的に考えて、こいつが犯人だと思ったのが、やはり犯人でした。

原題は『ロジャー・アクロイドの殺人』だが、邦題はなぜかアクロイド殺し。普通は、~殺人事件とか、~の怪とかいうタイトルにすると思うのだが、なんでアクロイド殺し・・・という露骨表現なんだろうか?

女殺し!・・・とか一般名詞+殺し・・・という表現なら分かるのだが、アクロイドは人名なので不自然な表現だと思う。私なら『アクロイド氏殺人事件』『誰がアクロイド氏を殺したのか?』などの候補が浮かぶ。

さて、この作品、評価は両極端という。すなわち、名作でなくて卑怯という批判も少ないないそうだ。初期の作品、ポアロものとしては三作目(全体でも六作目)なのに、なぜかポアロが引退して田舎町(キングズ・アボット村)に滞在していたという設定。当然、ヘイスティングスもいない。(アルゼンチンに行っている)


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おしどり探偵③チョコレートは知っている [ミステリ]

The House of Lurking Death 

原題は潜んでいる死。だが、日本語タイトルのほうがシャレている。 

周りは畑だけの田舎の村はずれのお屋敷(農園)サンリー荘で。ロイス・ハーグリーヴス嬢友人のメアリ、ロイス嬢の伯母(故人)の友人であったレイチェル・ローガン夫人がお茶をしていた。ローガン夫人の義理の甥デニス(ラドクリフ大尉)は二日酔いで朝寝坊。ようやく起きてきてコーヒーだけを飲んでいる。メアリーに遊び人のデニスは目配せする。 

名前もカードもない相手から、郵便でロイス嬢にチョコが届く。デニスは部屋を出て行き、残った三人の女性はチョコを食べる。

キッチンでは新参のメイドのエスター料理人ホロウエィ夫人娘ローズ、ロイス嬢の死んだ母のメイドだったハナが話をしている。エスターはデニスと巧くやっているらしい。化粧品をみせびらかす。そんなエスターをハナはたしなめる。使用人の身分で化粧などするのではないというのだ。

エスターが居間に行くと、三人が毒に当たっていた。幸い、三人は命を取り留める。ドクター・バートンは、早く手を打ったほうがよいとアドバイスする。だが、警察沙汰にしたくないロイス嬢は探偵に頼むことにする。チョコからは致死量ではないが多量の砒素が検出される。だが、これは近辺で3件目の事件らしい。犯人は社会主義者か?

ロイス嬢が警察を避けたのは、チョコの送り手が家のものだと判断したからだった。なぜなら、チョコの包装紙に、自分の鉛筆書きの落書きがあったからだ。遺産相続の関係が複雑のようだ。ロイス嬢は21歳になったばかり。ロイス嬢は今は亡き大金持ちの伯母のランドリフ夫人に育てられた。伯母は最初、財産を全額義理の甥デニスに残すはずだった(ラドクリフ家の財産だから)が、身持ちが悪いためロイス嬢に全額与えることに変更したという。申し訳なく思っているロイス嬢は最近、自分が死んだらデニスに遺産を与える遺言書を作ったという。(贈与ではデニスが受け取らないからだ。)

翌朝、新聞でロイス嬢がプトマイン中毒で死んだことを知り、驚愕するタペンスたち。しかも、メイドのエスターも死んだという。そしてローガン夫人は重態・・・。

屋敷に乗り込み、捜査を始める。屋敷にはジャングルのような温室部屋が。

ドクターによると昨日のティータイムで出たイチジク・ジャムに毒が、しかも今回は植物性の強力な毒であり、砒素ではないらしい。チョコの件がなければ、食中毒だと思ったかもしれないという。トミーは遺産の相続人である第一容疑者のデニス大尉にすぐ会いたいと二階に上がる。だが、大尉も今朝の5時に死んでいた!

メアリが答える。ジャムはロンドンのいつもの店から。だが、彼女は嫌いだったので食べなかったという。エスターは卑しいからつまみ食いでしょう・・・という。夫人は毒に強い体質で重態ですんだようだ。夕べ、大尉は夜の7時15分に帰宅している。なぜ大尉まで毒にあたったのか?メアリの話では、夕食後、彼は散歩にいき、その後二人(大尉とメアリ)は温室で話をしていた。彼はそこで酒をコップに注いで飲んだ。その後まもなく具合が悪くなったという。それを聞いて、すぐにキッチンに走り出すタペンス。温室にあった証拠品のグラスを確保する。幸い、まだ洗われておらず、ドクターに分析を頼む。

次はハナに話をききにいくが。ほとんど狂信的に信心深い初老女で、声をかけるいとまもない。だが、彼女の部屋でローガン夫人の父の著作である薬物学の本を見つける。なぜ、彼女がこんな本を読んでいたのか?

一命を取りとめたローガン夫人に話をきく。彼女の父は、医者で血清治療の先駆者だという。タペンスは彼女の手首に注射の跡が多数あるのに気づく。衰弱防止のためだと彼女は言う。そういえば、薬物学の本はメアリに貸したのだという。メアリは植物に興味をもっており、温室の世話もメアリがしてくれるという。彼女は何か実験しているということで、いつも体に良いハーブを出してくれるという。そしてローガン夫人もデニス大尉もよく飲んでいたという。かわいそうなデニス。私の従兄の息子でした・・・。うっかり口をすべらした夫人。

大尉が殺されたタイミングのずれが気になるタペンス。標的はロイス嬢ではなく、実は大尉だったのではないか?だが、もちろん狙いはロイス嬢の遺産のはず。

生き残ったコックのホロウエイ夫人、娘ローズ、メアリー嬢に尋問を。ドクターからの手紙で毒物はリシンと判明。リシンはヒマの木の種から抽出される。温室にはなんとヒマの木が!例の本のページが折られた部分もリシンに関するぶぶんであった。やり方を知っていれば、毒を抽出できるのだ。

タペンスはローガン夫人の部屋へ直行する。ハナは、密かに後を追ってくる。

リシンを少量ずつ摂ると抗体ができるのだ。ドアの外で真実を知ったハナは部屋に飛び込み、ランプをローガン夫人へ投げつける。毛布が燃え、ショックで夫人は息絶える。夫人はロイス嬢の母親をも殺していたのだった。もちろん、近隣の毒事件もチョコ騒ぎも布石であった。

亡きラドクリフ夫人の遺産はロイス嬢⇒デニス・ラドクリフ大尉⇒ローガン夫人へと渡るのだった。だから、先にロイス嬢が死ななくてはならなかったのだ。ローガン夫人はデニスの父の従妹だったから遺産を狙っていたのだった。だが、タペンスはその一言を漏らさずに聞いていた。(・・・口は災いのもと)

ミスター・ブラント・・・探偵。実はトミー(トーマス・ベレスフォード)

ミス・ロビンソン・・・探偵助手兼秘書。実はタペンス(プルーデンス)。トミーの秘書から助手に格上げ?

アルバート・・・探偵事務所の小僧さん


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おしどり探偵➁桃色真珠事件 [ミステリ]

The Affairs of The Pink Pearl 

キングストン・ブルース大佐夫妻の屋敷で・・・  

来客の真珠のネックレスの留め金が壊れ、テーブルに置く。ネックレスの粒のほとんどが無くなっていた・・・

来客者は貴族のレディ・ローラ・バートン、彼女のメイドのエリーズ(フランス人)、ビンセント氏、アメリカ人の金融家ベッツ夫妻。そして、大佐の夫人と娘のベアトリス、メイドのグラディス。

両夫妻はブリッジに興じる。昨晩の雪辱戦の挑戦に応じたのだ。アメリカ人のベッツ夫妻は友人の友人。メードのグラディス。娘のベアトリス。恋人のレニーを招待するが、彼は過激な思想の持ち主だった。

事務所に娘のベアトリスが調査の依頼にくる。トミーとタペンスは、ミスター・ブラントと助手のミス!ロビンソンンと名乗って活動する。 hutsle is my middle name (迅速果敢が信条です!)といいながら、実はどこから探してよりかわからず途方に暮れるトミー。特製カメラですと、ハッタリをかましながら、とりあえず全ての部屋の写真をとっていく。

二人はエリーゼとベアトリスが、銀のスプーンが無くなったという話をしているのを小耳にはさむ。エリーゼによると、未亡人のレディ・ローラは痴呆が進み、最近は無意識に物を盗んでしまうのだという。デディ・ローラの部屋の写真と撮っていると、エリーゼが風呂のノブが回らないで苦労している。ノブが石鹸で濡れていたせいだ。突然ロンドンへ戻る・・・と言い出すトミー。ローラを足止めしておけとタペンスに厳命して車を出す。

タペンスは屋敷の外に来たレニーと話す。国際探偵局のものです。真珠さえもどれば犯人は黙っていますよ・・・とカマをかける。またレディ・ローラは2時間おきに薬を飲んでおり、大分前からボケてしまい、知らずに物を盗んでしまうのです。もし、私が犯人だと思ったらぜひ、話してくださいと頼まれる。

トミーはスコットランドヤードを連れて戻ってくる。マリオット警部と警官たちだ。トミーは見事に犯人を見つける。

犯人はレディ・ローラのメイドのエリーゼだった。レディ・ローラは呆けていたのはなくて、すべはエリーゼが盗んでいたのだった。宝石は風呂場の石鹸の中から発見される。


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おしどり探偵①秘密結社 [ミステリ]

トミーとタペンスもの。おしどり探偵Agatha Christie’s Partners in Crime)は興味なかったので、夕べは見なかったのですが、今朝の再放送を見てびっくり。なんとトミー役が!またまたあのイギリスの草刈正雄~!そして、タペンス役は、前回の『なぜエヴァンスに頼まなかったのか?』(1980年作品)でヒロイン・フランキーを演じたフランセスカ・アニスじゃないですかぁ~!ということはグラナダ・テレビか?なお、彼女はマープルⅡの『バートラムホテルにて』にも出演していたんですねえ~。またSF『砂の惑星デューン』にも登場してたんですねぇ~。

もぉ~、たまりません!これは絶対、次から録画しなくちゃいけまんよぉ~。(今回は、後半しか見ることができませんでしたので、前半の粗筋がよくわかりません。)

第一回は秘密結社(The Secret Adversary 1983年作品

二人が結婚前の最初の事件。2時間版のテレビ・ムービー。以降は1時間のテレビ・シリーズが10作品。今回は変装で金髪のカツラをかぶったタペンスが見もの!

ジュリアス・ハーシュイマー アメリカの大富豪 ジェーン・フィンの従兄

サー・ジェームス・ピール・エジャートン 政界?の重要人物

リタ・ヴァンデメイヤ  組織の一員のおばさん

ミスター・カーター   政府諜報機関の要人 仕事の依頼人

ジェーン・フィン=アネット(ジャネット) 記憶喪失の娘

クラメニン ロシア革命の黒幕

ウィッティントン 最初の依頼者 翌日には失踪する   

アルバート  タペンスの助手に雇われる 

コンラッド 組織の男 トミーを撃つ

ミスター・ブラウン? 謎の組織のボス 正体不明

プルーデンス・カウリー(ミス・タペンス) トミーの幼馴染 

トーマス・ベレスフォード(トミー) 退役軍人

戦争中(第一次世界大戦)に船が沈む。乗っていたイギリス諜報部員は、条約の草稿をジェーン・フィンという少女に託す。救命ボートは女子供が優先だったからだ。だが、彼は既にある組織のスパイに尾行されていたのだった。

彼女は結局、組織に捕らえられるのだが、機転を利かし記憶喪失を装いフランス語だけをしゃべることにする。彼女はアネット(ジャネット)という名前をつけられる。

タペンスは組織の女、リタのもとにメイドとして潜入するが、見破られてしまう。一方、トミーもジェーンを救うつもりが、逆に捕らえられてしまう。

ジェーンの従兄であるアメリカの大富豪ジュリアスも登場し、協力するが・・・。

アネット(ジェーン)のおかげで、トミーは脱出。だが、リタは正体不明のボス、ミスター・ブラウンに殺されてしまうし、タペンスも偽の手紙で呼び出されてしまう。二日あまりも探したあげく、海岸でトミーとジュリアスはタペンスのドレスを拾った少女を見つける。服のなかには、ブラウンからの脅迫状も。やはり、タペンスは敵の手に落ちていたのだった。

いったいブラウンは誰なのか?依頼人である政府のミスター・カーター、アメリカの富豪となのるジュリアス、・・・?誰も信用できなくなったトミーは最後の賭けに出る!

 


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