SSブログ

おしどり探偵③チョコレートは知っている [ミステリ]

The House of Lurking Death 

原題は潜んでいる死。だが、日本語タイトルのほうがシャレている。 

周りは畑だけの田舎の村はずれのお屋敷(農園)サンリー荘で。ロイス・ハーグリーヴス嬢友人のメアリ、ロイス嬢の伯母(故人)の友人であったレイチェル・ローガン夫人がお茶をしていた。ローガン夫人の義理の甥デニス(ラドクリフ大尉)は二日酔いで朝寝坊。ようやく起きてきてコーヒーだけを飲んでいる。メアリーに遊び人のデニスは目配せする。 

名前もカードもない相手から、郵便でロイス嬢にチョコが届く。デニスは部屋を出て行き、残った三人の女性はチョコを食べる。

キッチンでは新参のメイドのエスター料理人ホロウエィ夫人娘ローズ、ロイス嬢の死んだ母のメイドだったハナが話をしている。エスターはデニスと巧くやっているらしい。化粧品をみせびらかす。そんなエスターをハナはたしなめる。使用人の身分で化粧などするのではないというのだ。

エスターが居間に行くと、三人が毒に当たっていた。幸い、三人は命を取り留める。ドクター・バートンは、早く手を打ったほうがよいとアドバイスする。だが、警察沙汰にしたくないロイス嬢は探偵に頼むことにする。チョコからは致死量ではないが多量の砒素が検出される。だが、これは近辺で3件目の事件らしい。犯人は社会主義者か?

ロイス嬢が警察を避けたのは、チョコの送り手が家のものだと判断したからだった。なぜなら、チョコの包装紙に、自分の鉛筆書きの落書きがあったからだ。遺産相続の関係が複雑のようだ。ロイス嬢は21歳になったばかり。ロイス嬢は今は亡き大金持ちの伯母のランドリフ夫人に育てられた。伯母は最初、財産を全額義理の甥デニスに残すはずだった(ラドクリフ家の財産だから)が、身持ちが悪いためロイス嬢に全額与えることに変更したという。申し訳なく思っているロイス嬢は最近、自分が死んだらデニスに遺産を与える遺言書を作ったという。(贈与ではデニスが受け取らないからだ。)

翌朝、新聞でロイス嬢がプトマイン中毒で死んだことを知り、驚愕するタペンスたち。しかも、メイドのエスターも死んだという。そしてローガン夫人は重態・・・。

屋敷に乗り込み、捜査を始める。屋敷にはジャングルのような温室部屋が。

ドクターによると昨日のティータイムで出たイチジク・ジャムに毒が、しかも今回は植物性の強力な毒であり、砒素ではないらしい。チョコの件がなければ、食中毒だと思ったかもしれないという。トミーは遺産の相続人である第一容疑者のデニス大尉にすぐ会いたいと二階に上がる。だが、大尉も今朝の5時に死んでいた!

メアリが答える。ジャムはロンドンのいつもの店から。だが、彼女は嫌いだったので食べなかったという。エスターは卑しいからつまみ食いでしょう・・・という。夫人は毒に強い体質で重態ですんだようだ。夕べ、大尉は夜の7時15分に帰宅している。なぜ大尉まで毒にあたったのか?メアリの話では、夕食後、彼は散歩にいき、その後二人(大尉とメアリ)は温室で話をしていた。彼はそこで酒をコップに注いで飲んだ。その後まもなく具合が悪くなったという。それを聞いて、すぐにキッチンに走り出すタペンス。温室にあった証拠品のグラスを確保する。幸い、まだ洗われておらず、ドクターに分析を頼む。

次はハナに話をききにいくが。ほとんど狂信的に信心深い初老女で、声をかけるいとまもない。だが、彼女の部屋でローガン夫人の父の著作である薬物学の本を見つける。なぜ、彼女がこんな本を読んでいたのか?

一命を取りとめたローガン夫人に話をきく。彼女の父は、医者で血清治療の先駆者だという。タペンスは彼女の手首に注射の跡が多数あるのに気づく。衰弱防止のためだと彼女は言う。そういえば、薬物学の本はメアリに貸したのだという。メアリは植物に興味をもっており、温室の世話もメアリがしてくれるという。彼女は何か実験しているということで、いつも体に良いハーブを出してくれるという。そしてローガン夫人もデニス大尉もよく飲んでいたという。かわいそうなデニス。私の従兄の息子でした・・・。うっかり口をすべらした夫人。

大尉が殺されたタイミングのずれが気になるタペンス。標的はロイス嬢ではなく、実は大尉だったのではないか?だが、もちろん狙いはロイス嬢の遺産のはず。

生き残ったコックのホロウエイ夫人、娘ローズ、メアリー嬢に尋問を。ドクターからの手紙で毒物はリシンと判明。リシンはヒマの木の種から抽出される。温室にはなんとヒマの木が!例の本のページが折られた部分もリシンに関するぶぶんであった。やり方を知っていれば、毒を抽出できるのだ。

タペンスはローガン夫人の部屋へ直行する。ハナは、密かに後を追ってくる。

リシンを少量ずつ摂ると抗体ができるのだ。ドアの外で真実を知ったハナは部屋に飛び込み、ランプをローガン夫人へ投げつける。毛布が燃え、ショックで夫人は息絶える。夫人はロイス嬢の母親をも殺していたのだった。もちろん、近隣の毒事件もチョコ騒ぎも布石であった。

亡きラドクリフ夫人の遺産はロイス嬢⇒デニス・ラドクリフ大尉⇒ローガン夫人へと渡るのだった。だから、先にロイス嬢が死ななくてはならなかったのだ。ローガン夫人はデニスの父の従妹だったから遺産を狙っていたのだった。だが、タペンスはその一言を漏らさずに聞いていた。(・・・口は災いのもと)

ミスター・ブラント・・・探偵。実はトミー(トーマス・ベレスフォード)

ミス・ロビンソン・・・探偵助手兼秘書。実はタペンス(プルーデンス)。トミーの秘書から助手に格上げ?

アルバート・・・探偵事務所の小僧さん


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。