僧正殺人事件(第二の事件) [推理小説]
マザーグースの童謡に見立てたコック・ロビン殺人事件。いったい、何のために、誰が、どうやって行ったのか皆目見当がつかないまま一週間がすぎた。
このままでは終わらない・・・探偵ファイロ・ヴァンスの予言どおり、近所で第二の殺人事件が。こんどは別の童謡にみたてて、青年が頭のてっぺんから銃で撃たれて殺されてしまう。しかも、第一の事件の家族・友人たちと顔見知りの青年であった。さらに、死体の下には、高等数学の数式の紙片が・・・
犯人と思しき自称・僧正(ビショプ)は、コックロビンの童謡をタイプで打って、被害者のいた家のポストに紙を入れてきた。第二の事件の紙片も、どうやら同じタイプで同様の紙に打たれたものだ。
僧正=ビショップはチェスの駒(将棋の角と同じ動き)でもある。どうも、チェスに謎を解くヒントがあるような気がするのだが・・・
だーれが殺したククロービン( [推理小説]
ヴァン・ダインに初挑戦です。
僧正(ビショップ)殺人事件
ヴァン・ダインといえば、綾辻さんのデビュー作『十角館の殺人事件』で、犯人のあだ名になっていたのが印象的です。
ヴァン・ダインって探偵ではなくて、(作品中のわたし)=探偵役の友人なんですね。それと、てっきり、オランダかフランス人だと思っていたら英国人でした。でも、活躍の舞台はニューヨークでした。但し、原作者のヴァン・ダインはアメリカ人でペンネームだったんですね。
探偵の名前はファイロ・ヴァンス。
クックロビン音頭がモチーフになっているこの作品。きっとパタリロはこれがヒントになっていたんですね。作中序盤で、わたしに対して探偵が『ねえ、ヴァン』とたずねるセリフ。これってバンコラン少佐にマライヒが言うセリフですよね。
さて、クックロビンを殺した犯人は、なんと雀なんですね。(知らなかった。)しかし、手のない雀がどうやって弓と矢を使ったのか不思議。ロビンとか雀というのは、ニックネームで実際にあった殺人事件を鳥にたとえたのかもしれませんね。
ニューヨークで、ジョジフ・ロビンという男が弓と矢で殺される。彼が最後にあった人物の名前は、シュペルリンク(英語読みはスパーリング)。ドイツ語で雀(英語でスパロウ)。しかも、被害者のミドルネームは、コクレーンでコック・ロビンに一致しているのだった!!(コックは雄鶏、ロビンは駒鳥)
日本でなら、さしづめ悪魔の手毬歌ってところですね。
マザーグース(グースは雁=がん)の歌は面白くて、この歌はずーと続きます。ロビンの葬式の喪主には、恋人であったと思われる鳩が登場。一般的には三角関係から、ロビンを殺したのは女(雀)ではないかと言われます。雀と鳩の争いだったわけですか・・・?
作家アリス・シリーズ [推理小説]
作家アリス・シリーズ(探偵役は犯罪学者の火村准教授、狂言回しに推理作家・有栖川有栖=ありすがわ・ありす)
「妃は船を沈める」 (2008年)
久しぶりに読みました。もう20年以上読んでいませんでした。いわゆる、本格ミステリの魁。感想はラビリンス~二階堂蘭子ものの二階堂黎人にくらべて、はるかに読みやすい。そして何より、短い。無駄な文字稼ぎのしつこい描写や文句がないので当然か。ただ、内容的には、物足りない・・・・か?
今回は猿の手というお話がモチーフになっている。猿の手とは・・・
いわゆる三つの願い・・・のブラックパロディー(週間ミステリランドみたいなもの?)ものらしい。ブードゥーかなんかの道具でしょうか?猿の手のミイラみたいなものに願いを掛けると、その願いが叶うのですが、そのかわりに不幸が訪れる・・・という話。原作はイギリスの作家。
で、元祖の三つの願い・・・はどんな話かというと、願いを3つだけかなえられことになったあるバアさんが、考えあぐねているうちにソーセージが欲しいと願う。それを知ったジイさんは、なんてバカなんだ!もっと、ましな願いをすればいいのに・・・と、腹を立て、こんなソーセージなんかバアさんの鼻にくっついてしまえ!と願う。これが二つ目。結局、最後の三つ目を使って、ソーセージをとってもらうというイソップ童話的な話。結局、楽して儲かることはない・・・って教訓でしょうか。
すっかり忘れていましたが、そんな話、子供の頃聞いた覚えがありますねぇ~。
なお、作家の有栖川有栖さん(同志社大学卒業)は本名です。
*訂正 これは作品中のことで、実際の作家名は本名ではないとのことでした。
鬼蟻村マジック [推理小説]
鬼蟻村マジック(原書房 2008年7月)
二階堂黎人のもうひとつのシリーズ、水野サトル(紗杜瑠)シリーズ。
今まで読んだことなかったのですが、知らないうちに読んじゃってました。(笑)
先週読んで、簡単にトリックも筋書きも判ってしまったので、肝心の探偵役が誰なのかほとんど記憶になかった。今日、改めて登場人物ページを開いたら、水野サトルとあった。
ああ、これが水野サトルかぁ~!って感じです。先週読んだときには、まだ水野サトルシリーズの存在自体を知らなかったので、シリーズ外の単発ものだと思いこんでいたんですね。
だいたい、作中でも主人公の探偵役の素性を詳しく説明した部分がなかったので、完全に意識の外でした。(蘭子シリーズでは、毎巻ちゃんと説明部分がでてきますけどね)
探偵役のサトルは、旅行会社の若手社員。おいしんぼの山岡さんみたいな、超いいかげん社員。ある日、1年先輩の女性社員から由緒ある実家へ、偽装婚約者としてきて欲しいと頼まれて出かけていく。その、代償はなんと、リカちゃん人形。
しかし、そのいなかの鬼蟻村で、謎の殺人事件に巻き込まれていく。
二階堂黎人の作風
この作者は、よほど江戸川乱歩に思い入れがあるらしく、純粋な推理ものではあるのだが、それと同時に怪物・霊魂ものでもある。よって、事件も昭和40年代という設定がほとんどだ。(蘭子シリーズ、水野シリーズ)今回の作品(鬼蟻村)は、計算すると平成8年あたりの設定。よってワープロソフトが出てくる。しかし、事件の発端は大正・昭和がもとになっている。つまり、横溝正史や江戸川乱歩的な怪物や因縁めいた事件が起きる可能性があるギリギリの年代が昭和40年代までということらしい。(誰かが分析していた。)
二階堂蘭子の謎 [推理小説]
世界一の長編ミステリ、 『人狼城の恐怖』(全4巻、講談社1996~1998年)を解決後、行方不明になった蘭子。いったい、その後どうなっているのか?
『ガラスの仮面』同様、なかなか次回作が出ないようで・・・・(笑)
この作者、蘭子シリーズのほかに、おちゃらけ探偵?水乃サトル(シリーズ)もあるんですわ。
さて、この若き女性名探偵、二階堂蘭子だが、ドイツ・フランス遠征前の国内での敵は謎の怪人・魔王ラビリンスだった。私は、今年はじめに帰省した際に家にあった『双面獣事件』(例によって、これも分厚い!4cm以上・・・講談社2007年12月)をこれも、例によって得意の飛ばし読みしたのだが、この事件と平行して進行していた事件譚が、この『魔術王事件』(2004年10月、当然厚さ4cm超)。いずれも昭和45年という時代設定。双面獣事件は南国九州、魔術王事件は北の函館が舞台という対象性をみせているが、実はどちらも謎の怪人・魔王ラビリンスが糸を引いている事件だ。
こちらの『魔術王~』は、双面獣事件の予備知識があったので、少しは丁寧に読みました。最初、蘭子は登場しないのですが、これも九州で双面獣事件にあたっていたため・・・という設定。おかげで、多数の犠牲者が出てしまいます。
さて、この二階堂蘭子。いったい何者なのか?初期の作品(バラ迷宮など)も買ったのがあるのですが、今はみつからないので、生い立ちが分からない。
一応風貌は165cmで、蜂の巣をつっついたような巻き毛!!というから、相当な天パか。ただ、ブラシをよぉ~くかけているので、欧米人の映画スターのような髪だという。そして、美人。つまり、お蝶婦人みたいなんですね。そして、デビュー時は高校生で、その後は大学生という設定。服装はミニスカートが多い。
うーん、そうすると、二人は従兄妹でもなく血縁はまったくないってことなのかな?wikiで調べても、蘭子の両親の名前や職業は書いてない!!ただ、祖父が貴族院議員とかで、実は日本のドン的な存在であったという設定のようなのだが・・・。
だから、むしろ二階堂本家の血筋は蘭子の方なのよね。もっとも、だから天才なんでしょうけど。
ところで、黎人の母(つまり蘭子の義母)って生きているのね。今日、読んでいたら、ちらっと登場した。だけどセリフなし。なんとも存在感が薄いなぁ~。蘭子の巻き毛にブラシを通してくれた母とはこの義母の方なのか?それとも実母の方なのか?まあ、幼くして死んだとあるので、義母の方なんだろうなぁ。
パディントン発4時50分(ポアロ) [推理小説]
ジョーン・ヒクソン主演の『パディントン~』(完全版)を見ました。
新マープル版(パディントン~)とは、ちょっと話が違いました。
マープルは、マクギリカディ夫人(エルスペス)の話を聞きながら、
『ゴルフ、ボール、クラブ・・・』
とかなんとかうわ言の様につぶやきます。そして、スーパー家政婦のルーシーのことを思い出すのですが、実はこれは、後に貴族の屋敷に忍び込んだルーシーが消えた死体を捜すときに、広い邸宅の庭(というより草原)を歩き回るときに、ゴルフにかこけつけて探すというシーンがでることで納得。新マープルでのルーシーはゴルフなんかしていなかったような気がするなぁ・・・(もう一度みたい!)
またルーシーをめぐる恋模様も、新マープルではミス・マープルの甥(という設定)のトム・キャンベルという刑事と屋敷(クラッケンソープ家)の次女の婿であるブライアンの三角関係だったのだが、次男である画家のセドリックとブライアンの三角関係になっていた。(多分、こちらが原作どおりなのでしょう)
なお、私はてっきりブライアンは屋敷の三男か四男だと思っていました。でも、死んだ次女(イーディスという名前)の婿だったんですね。
登場人物整理
爺さん(当主) ルーサー・クラッケンソープ
長男(故人)エドマンド
次男 セドリック、画家 スペインの島に住んでいる チョイ悪おやじ風
三男 ハロルド 銀行家 実は経営苦しい 妻(レディ・アリス)は伯爵令嬢だが財産目当ての結婚
四男 アルフレッド 無職、詐欺師
そして何より、ルーシーも金髪美人じゃなかったしぃ~、当然スポーツカーにも乗っていません。
またカレーを作るシーンも、毒事件もなかった。当然最後の、サンドイッチに毒を入れるシーンもなかったです、はい。
新マープルシリーズは全部見ていないので、他の作品も早くミステリchで放映してほしいなぁ~。
Xの悲劇(感想) [推理小説]
エラリー・クイーンがバーナビー・ロス名義で書いたドルリー・レーンものの第一弾。
有名だが、読んだことがない人が多いのではないだろうか?
今回、なんとかこの長編に挑んでみたのだが、私の感想はペケである。
50ページぐらい読んだところで(全体は400ページ以上)、我慢できずに最後の結末を読んだ。
Xの悲劇2 [推理小説]
いよいよ事件発生
地方検事と警部が話した先週の事件とは?
ことはホテルの一室から始まった。
金融仲買人の男と愛人(女優)が、共同経営者夫婦、知人、などを招いてなにやらパーティーを開いた。
不穏な空気の中、パーティーは終了。そのとき、彼は全員に週末は俺の家ですごしてくれと提案する。(半ば強引に)
彼は左のポケットからメガネケースを取り出し、ケースからメガネを取り出した。
その後、メガネをしまい再びケースにしまい、もとのポケットに戻した。
ホテルを出てタクシーを捕まえようとボーイに言いつけるが、その時、突然雨が。
しかたなく、路線電車に変更といい、一段は通りかかった電車に殺到する。
女は彼の左腕につかまっていた。
満員の電車の中で、小銭を取り出し、紙幣車掌に渡す。女は一団と一緒に車両の前部へ移動。
左の(上着の)ポケットからメガネケースを取り出し、脇に抱えていた新聞を読もうとしたとき、彼は左手から出血していることに気づく。何かを引っかいたようだ。
だが、数分後、彼は死んでしまう。
ポケットの中からは、コルクボールに針が何本も刺されたものが発見される。
針にはニコチンが塗られていたようだ。
しかし、いったい、いつの間にそのハリボールは彼のポケットに入れられたのか?
ABC殺人事件 [推理小説]
名作。なんとなく筋は知っているのだが、ドラマは始めてみた。
頭文字がAで始まる村で同じ頭文字Aの老婆が殺される。ABCと名乗る犯人は大胆にもポアロに手紙を送り挑戦してくる。
続いて犯人はB海岸での殺人を予告。Bなる若いウェイトレスが殺される。
いずれの犯行でも、犯人は現場にABC順の鉄道案内(alphabetical railway guide)を残していた。(もちろん、指紋はなしで。)
魔術の殺人(ミス・マープル) [推理小説]
Murder with Mirrors(魔術の殺人)
ヘレンヘイズ主演。友人のキャリーの家を訪ねると、彼女の義理の息子のクリスチャンが殺されていた。実は、彼はミス・マープルに義母の身に何かあると相談していたのだった。