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隠蔽捜査(登場人物) [推理小説]

組織 

    警察庁 国家公安委員会に設置される特別の機関。浅見光彦の兄が長官。[わーい(嬉しい顔)]通称、サッチョウ(警察庁&薩長)。国家公安にかかる事案の警察運営。警察政策の企画立案を行う。

    都道府県警察 地上自治体の警察機関。実働部隊。都道府県公安委員会の管理下に設置される。警視庁も本来は東京都警察にすぎない。

    警視庁 首都警察。警視総監は国家公安委員会が任免を行う。東京都公安委員会と内閣総理大臣の承認が必要。公安活動に関しては事実上、各道府県警察を指揮する。

階級

   警視監  本部長クラス 牛島(警察庁・長官官房参事官、竜崎の上司)  

(警視庁警備部長)

  警視長  伊丹(福島県警刑事部長⇒警視庁刑事部長)、竜崎(警察庁・長官官房総務課長⇒大森警察署長) 地方警察本部長、警視庁部長クラス、警察庁課長クラス

  警視正  警視庁課長クラス

   警視 野間崎(第二方面本部管理官)。竜崎を深く恨んでいる敵役。ちなみに、野間崎はノンキャリ。


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裏コード・モリアティ [推理小説]

金曜日から午後4時の張禧嬪は3日連続でお休み。なんと競輪だのボートだのの中継が続いています。こういう(酷い)扱いは、毎日録画(月~金)しているので、本当に困りますね。

まあ、その分、他の録画した番組をじっくり見るゆとりができるからいい面もありますが・・・。

私がホームズを始めて読んだのは小学校3年の4月ごろだったと思います。ウルトラマンなどがスキだったので、本屋さんで『夜行怪獣』(バスカビル家の犬)というタイトルの本と買ったのがきっかけです。こうして初めて推理小説なるものを読むことになり、すっかりその魅力に嵌ったわけです。ところが、6月にはなぜか風邪をこじらせて肺炎となり一月まるまる学校を休んだので、その間に少年向けのホームズシリーズをあらかた読破してしまいました。

本屋さんから在庫を取り寄せていたので、原作とは順不同でしたし、そもそも全集(全40巻)の順番自体が時間経緯がまちまちですからいきなりホームズが死んだときにはガッカリしましたね。ですから、ホームズが復活したときにはホッとしました。

さて、ライバルのモリアティ教授=悪の巣窟・悪の総合商社ですが・・・

思えば、この人物はホームズが打ち切りになるので急遽、登場させた人物ではないでしょうか?原作者(コナン・ドイル)は、このモリアティなる人物の正体についてかなりの伏線をはっています。

結局のところ、モリアティという人物はホームズの口から語られているだけであり、誰も彼を見たものはいない!

ワトソンもモリアティと会ったことはない。最後の逃避行にあたって、列車で追いかけてくるモリアティを二人が見かけることになりますが、あの男がモリアティという証拠はどこにもない。つまりホームズの証言のみ。ライヘンバッハの谷でホームズはモリアティと決闘したことになっていますが、誰もその現場を見たものはいない!

つまり、全てはホームズの証言のみ・・・なんですね。

考えてみれば、あれだけ綿密にモリアティ一派逮捕を計画したのに、彼だけを逮りのがしたというのも非常に不審です。今思えば、逃避行の再に、ワトソンを運んだ馬車の御者=実は兄マイクロフトが沈黙していたというのも意味深だと思います。

一般的に少年少女向けのホームズ本に登場するホームズは明朗・快活なナイスガイですが、原作のホームズはかなり鬱屈した人物であり、重度の麻薬中毒者です。しばしば外出して何日も留守にしたりしていたわけであり、非常に疑わしい人物でもあるわけです。実は、その辺はワトソンも同様で、原作のワトソンは3度ぐらい結婚しているようですから、つぎつぎと妻を殺していた女たらし=ロス疑惑の三浦さんのような男だったと考えられなくもないんですよね。

さて、大陸へ渡ってスイスで一度死んだホームズが何年後かに復活するわけですが、実はホームズはその間精神病院で治療しており、二重人格を治していたというのが真相のようです。

原作者ドイルは、ホームズを終了させるのあたって、二重の謎を用意していたというのが本当だと思いますね。まさに脱帽!シャッポを脱ぎますね。なおドイルは心霊研究家としても有名です。イギリスの科学者には心霊研究家が多いようですね。

その後、ファンからの熱烈な要望があいついだために、ホームズ物は連載を復活します。ワトソンが驚きのあまり失神するという事件で再登場するわけですね。

なんか、モリアティはホームズの裏コード・ザ・ビースト!(ヱバンゲリヲン)みたいですが、ドラマ『シャーロック』においても、兄マイクロフトは弟ホームズをかなり警戒しています。まるでシャーロックの裏の暗黒面を知っているかのようです・・・。まあ、生まれたときからずっと見ているのだから当然ですが・・・。

考えてみれば、そんな有能なホームズが就職していないのも不思議な話です。彼が私立探偵としてほそぼそと暮らさなくてならないのは、やはりマイクロフトが警戒していたからではないのか?国家機密に触れる立場に立たせるわけにはいかんですからね。

ホームズは何度か国家に関する事件を解決していますが、これはマイクロフトが弟を説得して犯罪を思い留まらせたものであると考えると面白いですね。


推理小説読本 [推理小説]

黄色の部屋はいかに改装されたか?(増補版)

筆者は都筑道夫(つづき・みちお)。寡聞にして、この人の名前は初めて見ました。ちょっと変わった苗字ですが、私は神奈川にいたので川崎市か横浜市に都筑区という区があるので、読めました!

本格推理ものに対する読本のようなのだが、読んでみると、どうも対象としている時代が古いような感じ。なんか1970年代の作品の話なので、しばらくして『ああ、なんだ。昔の本なのかぁ~』気づきました。

私らの年代ですと、本格推理ものといえば、昭和末期から平成にかけて登場した綾辻行人(ゆきと)、有栖川有栖(ありすがわ・ありす)、法月綸太郎、二階堂黎人(れいと)、森博嗣(ひろし)etc、あたりだと思いますから、その辺の話が出てくるもの読み進めたのですが、いつまでもたっても彼らの名前が出てこないのでおかしいと思いました。確かに、現代は本格推理小説とはいわずに本格ミステリというほうが多いから本格推理小説という用語自体に注意すれば、これは昔の話だと十分に推理できたはずですね・・・[わーい(嬉しい顔)]

推理小説、近年はミステリと呼ばれますが、日本ではなぜか『本格推理、本格ミステリ』というジャンルが存在する。おそらく、女性向けのお手軽な本や荒唐無稽なトリックものなどへの反省・批判から、欧米の代表的作家アガサ・クリスティやエラリー・クイーン的なものの延長線上にある推理小説の現代版を書こうとする作者たちの意気込みを本格派と呼んだのだろう思う。

本書の題名は、おそらく有名な古典の『黄色の部屋の秘密』(ガストン・ルルー)に由来したものでしょう。私は『黄色の部屋』を読んだことはないのですが、子供のときに読んだ『世界の名探偵50』でそのトリックの概要は読んだような記憶があります。ただ、本書においては、この『黄色の部屋』についての言及はありませんでしたね。ちょっと、看板に偽りありです。

著者(都筑氏)は、日本の推理小説はイギリスにくらべて25年は遅れているといいます。なおこの本は昭和45年~46年に書かれたものです。当時の日本にいわゆる本格推理小説の第一の波があったとは全く知らず驚きました。

さて本格というと、その反対概念としては邪道・インチキ、お手軽、というものがあるのでしょうが、果たしてその名称が適切かどうか?

野球のピッチャーなんかですと、本格派といえば、変化球に頼らない速球投手を言います。また相撲でいえば、堂々とした横綱相撲のことでしょうね。立会いの変化やケタグリをするのは技巧派と呼ばれます。競馬でいえば、大逃げをうって穴をあけるネコパンチなどのような馬でなくて、2,3番手に控えて直線指しきるシンボリルドルフのような馬を言いますね。ついでに言えば、馬券本・競馬本でいえば、高本先生や片岡先生の本が本格派であり、歴史学でいえば古田先生の本が超本格派と言えましょう。

古典の代表であるホームズものは推理小説と冒険小説が半々といったところでしょうか。また、二階堂黎人の蘭子シリーズ(人狼城の恐怖、魔王ラビリンスなど)は、怪奇物・オカルトものなので本格ミステリとは言いがたい。

なお、一般的には、正々堂々とした謎解きものが本格ミステリと定義されているようだ。これらはいわゆる、フーダニット、ハウダニットものWho done it 、How done it)と欧米では呼ばれているらしい。つまり、誰が犯人か、どうやって犯行したか?を巡って読者と作者が智恵の対決をするというジャンルのこと。但し、そのヒントは必ず文章に書かれていないとダメという原則がある。そうでないと、公正ではありませんからね。


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隠蔽捜査3『疑心』 [推理小説]

数学の参考書をそろえる目的で、たびたびブックオフに顔を出して偶然、待望の隠蔽捜査3『疑心』を見つけました。残念ながら105円ではなくて約半額の800円(ハードカバー)でしたが買いました。

文庫本になるのを待っていたら、いつになるか分かりませんからね。

内容的には十分おもろい話でした。

さて、ワウワウのCMを見ていたら、今度ワウワウのオリジナルドラマ・ドラマWで今野敏(こんの・びん)の警察小説『ビート』と『同期』が2月に放映されるとのことです。

それにしても、ワウワウにオリジナルドラマがあるとは知らんかったですねぇ~。他人のふんどしで相撲をとっているテレビ局ですからね。


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犬神家の一族・・・の謎 [推理小説]

映画にしろ、原作にしろ、納得できないのが殺人の動機

三姉妹の長女、松子が息子の佐清(すけきよ)に相続させるために、なぜ人殺しまでしたのか?・・・ということに対する十分な動機が語られていないと思う。

まず、若林を買収して遺言状を見た松子が、珠世を殺そうとする。

・寝室に蝮(マムシ)を放り込む

・自動車のブレーキに細工する

・ボートに穴を開ける

そして、三度ともこの殺人計画は失敗しているのだ。まあ、三度目は金田一の登場で失敗するのだが、それにしてもお粗末。後に3人の血縁者(半甥)を無残に殺した松子の所業とは思えない有様なのだ。

さらに、その後は珠世殺しをやめて、甥殺しに計画を変更したことも不可解だ。松子自身が告白しているように、松子は完全犯罪(偽装工作)を目指してはいない。逮捕されてもいいと思って行動しているのだから、失敗するのはおかしいし、珠世殺しをあきらめるのもおかしい。事実、最初に殺された若林も、片想いの相手である珠世に被害が及ぶことを恐れて金田一に調査を依頼したのだ。だが、珠世を殺しても、財産は5分の1しか相続されないのだから、本編はその発端自体が矛盾しているのだ。(ただし、事業だけは佐清が相続する)

最後の告白で、松子は遺言状の写しを見て、珠世憎しの一念が燃え上がって、珠世殺しを決意したとあるが、大事な遺言状を終わりまでよく読まなかったなどという設定は、あまりにも苦しい[ふらふら]

次に、(偽)佐清の復員の後は、珠世殺しをあっさり放棄して、甥たちを殺していく。 

珠世と佐清がお互いに好いた間柄であったことは、母である松子は当然知っていた。ならば珠世は当然、佐清を選ぶのだから、松子としては婿候補の佐武・佐智を殺す必要もなかったはずである。ただ、偽佐清が戦争で無残な顔になってしまったから、珠世に拒否されることを恐れた。ということで、甥殺しに走る・・・というシナリオになる。

これを発端に、映画の名文句となった、(すべは偶然の産物でした)につながっていくのだが、原文は

『そうでした。偶然でした。恐ろしい偶然でした。恐ろしい偶然が何度も何度も重なってきたのでした。』となっている。

だが、だとしたら、なおさら不確定要素である珠世を殺すべきだったように思う。(その場合は、5文の2が静馬に相続される。)松子の告白では、佐清を迎えにいく汽車の中で、遺言状をよく読み返しているうちに、珠世殺しをあきらめた・・・とある。

やはり、苦しいシナリオである。もっとも、そのあたりをいい加減にしないと、この小説は成り立たないんだよなぁ・・・。


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本当の『犬神家の一族』 [推理小説]

佐清(すけきよ)はピストルを持っていた。母(松子)をかばうために、遺書を書いて自殺するつもりだった。『戦争で一度は失った命』(映画でのせりふ)ということで、死ぬ覚悟はできたということだろう。映画と違って、佐清は一旦、東京へ戻っており、そこで散髪なぞをした後に、新聞記事(偽佐清殺し)を読んで再び舞い戻ってきたのだった。

そして、珠世をわざと襲い、雪の積もった山へ逃げ、そこで警官隊との銃撃戦を演じる。東北育ちの金田一も袴を尻捲くりしてのスキーの腕前を披露し、ダイナミックなクライマックスを演じる。

いったい、こんなすばらしいシーンを映画ではなぜカットしたのか不思議・・・というか理解できません。このような見せ場を放棄してまで、設定を『夏』にしたのはなぜなのか?原作の最後は

那須湖畔に雪も凍るような、寒い、底冷えのする黄昏のことである。・・・で締めくくられているのだ。

原作の表現 

・原作では、佐清は珠世を『珠世ちゃん』、静馬を『静馬くん』と呼んでいる。それと、実際には犬神家には奉公人の女中さんが何人もいる・・・んだなぁ~。(映画では、女中さん連中がまったく登場せず)

・三姉妹の母は全て、菊乃と佐兵衛ができたころには、とうに死んでいた。・・・だから、映画に登場した松子の母(小遣いをせびる)も存在しない。

・青沼菊乃(=宮川香琴)は、野々村晴世(男色であった野々村大弐神主の処女妻、犬神佐兵衛の愛人)の従姉妹であった。犬神佐兵衛は、恋人である晴世を母のように慕っていたので、血縁の菊乃をより愛していたのだった。

・犬神佐兵衛は、男色(衆道)などの過去はあったが、決して、映画で語られているような残酷・冷徹な性格ではなく、むしろ人徳者であった。そんな彼が、三姉妹とその母たちを冷遇した理由は別にある。(研究するとおもしろい)

・映画のように、死んだ佐兵衛が娘たちを互いに憎みあうような策略をしたわけではない。単に、珠世を殺させないように、計算して静馬を持ち出したのであった。

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本陣殺人事件 [推理小説]

犬神家の一族の原作を読む前に、まず、金田一の為人(ひととなり)を調べるために、第一作の本陣殺人事件を読みました。(名前は有名ですが、今まで読んだことありませんでした。)

タイトルは本陣といっても、時代劇ではない。

金田一耕助ものの処女作。この殺人事件の原因となったのもまさに、その『処女性』であった。ただし、時系列では最初の事件ではないという設定。

金田一は東京の某私立大学に入った1年後、アメリカのカレッジに留学。麻薬に溺れていたが、サンフランシスコである迷宮入り寸前の殺人事件を解決したことから、ある日本人と知り合いとなったのが縁で、探偵業を目指すようになる。・・・麻薬に溺れていたという設定はホームズの真似だろう。なお、金田一という苗字は、横溝正史の近所にアイヌ語学者の金田一京助先生(春彦先生の父)の弟が住んでいたからだそうだ。それで、下の名前まで拝借して耕助にしたという。

金田一耕助は東北なまりで、どもりもあり、石坂浩二のような男前ではないというのが本来の設定。

本陣は殺人の舞台が昔、先祖が本陣になるような宿を営んでいたということだけであって、本来は

妖琴殺人事件

と呼ぶべき内容である。

本作は探偵作家である『わたし』が、事件にかかわった医者からのまた聞きで得た情報を語るという設定であり、出だしからちょっと理解しづらい。聞きなれない昔風言葉や漢字も多数あり、読むのも大変。

内容的には密室殺人であり、機械的なトリックを用いているので、あまり明快な推理ものではない。ただ、決して読んでつまらない本ではないですなぁ。


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12人の陪審員~オリエント急行殺人事件 [推理小説]

久しぶりに見たオリエント急行。もうひとりのフトッチョのポアロだと思っていたのですが、別の人でした。あまり、フランス語がでなかったのが意外でした。

人間の記憶っていいかげんなもので、事件の詳細はよく覚えていないものですね。今回、ようやく事件のあらましがよくわかりました。雪崩で汽車が止まっていたということも、まったく覚えていなかったですし。車掌もグルだったなんてことも、まったく認識していませんでした。

終盤でSLが煙を吐くところとは、銀河鉄道999みたく郷愁を誘いました。

実際には完全な謀殺ですが、日本人的な大岡裁きで、ポアロは犯人を見逃してやります。ポアロの謎解きよりも、人間ドラマが主体の映画でしたね。

ロシアのNはHに似た字だというのは日本人だけでなく、欧米人でも盲点なんですなぁ。ナターリア。

グリーンウッドがドイツ語ではグルンワルドになるというのも日本人には盲点。

舞台女優だったというオバサンの態度のいったいどこまでが演技だったのか、よくわからないまま終了したのが残念。こちらのほうがミステリーだ。

 


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ドラゴン殺人事件(ヴァン・ダイン) [推理小説]

ヴァン・ダインの最高傑作は第三作のグリーン家殺人事件というのが定評です。確かに、そうなのでしょうけれど、実際に読んでみてグイグイ引き込まれたのがこのドラゴン殺人事件。

夜のパーティで、招待客の一人がドラゴン・プールと呼ばれるプールの飛び込み台からジャンプする。しかし、1分たっても浮かんでこない。しかし、死体がない。朝、水を全部抜いたのだが、死体はとうとう出てこなかった。

気の狂ったその邸宅の夫人は、ドラゴンのしわざよと嘯(うそぶ)く。昔からのインディアンのドラゴン伝説を夫人は信じ込んでいるようだった。ドラゴンは誰の目にも見えず、人をさらっていくのだ。

この夫人のフレーズいいですね。さっそく使わせてもらいました。人のパンをこっそり齧(かじ)ったときなんか、そ知らぬ顔で『ドラゴン(ピアサ)の仕業よ』って言えばいいんですからね。[わーい(嬉しい顔)]


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僧正殺人事件(偉大なるヴァン・ダイン) [推理小説]

主人公、ファイロ・ヴァンスは英国人で、アメリカに遊びにいっているのだと思っていたら、アメリカ人という設定でした。ただし、彼の執事はイギリス人。毎年5月にフランスへ行くとあったので、ついイギリス人だと思い込んでしまいました。というか、作者のヴァン・ダインとか名前がアメリカ人らしくないので・・・。(といっても、イギリス人の名前にも見えないですが・・・[ふらふら]

解説を読んだところ、探偵ファイロ・ヴァンス自体が本名ではなくて、さしさわりがあるので執筆者のわたし=ヴァン・ダインのつくった偽名であるとありました。なぜなら、彼はシロウトでありながら友人のニューヨーク市地方検事の手伝いをして難事件を解決しているからです。つまり、アリソン・デュボアとデヴァロス検事の関係と同じ。実際の解決をしたのは、すべてファイロ・ヴァンスという設定なんですね。

さらに、原作者のヴァン・ダインという名前もペン・ネームで正体不明の人物で、当時は話題になったそうです。これも、現代にたとえると、デスノートの原作者=おおばつぐみ・・・の正体がいろいろ取りざたされたのと同じです。

解説によると、本格推理ものの本家はアメリカのエドガー・アラン・ポーなのですが、その後継者は長い間いなかったそうで、なぜかというと、アメリカ人はジャレが分からない人種?なので、推理小説作家の地位が異常に低かったそうだからです。

ヴァン・ダインはハーバード大学卒業とありますから、秀才ですね。確かに、この僧正殺人事件でも数学や物理の話が理路整然と頻繁に出てきます。あのエラリー・クイーンも、ヴァン・ダインの影響を強く受けていると述べているそうですから、すごい人だったんですね。なんで、今まで読まなかったのか不思議。

まさに本格推理の元祖みたいな人だったんですね。十画館の殺人事件で犯人が、ドイルやカーでなくて、ヴァン・ダインだったのも納得。


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