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ちはやぶる① [歴史]

ちはやぶる・・・は神様などのかかる枕言葉のようだ。多くの枕言葉同様、その語源は定かでない。

ただ、『チ』というのは、血、父、乳のように神様や生命エネルギーのことをさすと聞いたことがある。オオムナチのチ、テナヅチのチ、メキシコあたりのチチカカ湖のチも神様の意味らしい。ということで、現代の父のほうは随分と威厳がなくなったものだ。そういえば、中国語の気もチと発音する。

さて、ちはやぶる(ちはやふる)とタイトルの漫画が人気だそうだ。今朝の新潟日報に出ていた。NHKでドラマ化された書道クラブの話があったが、それのカルタ(百人一首)クラブの話だろうか?

幼い子供なんかは、和歌の意味や裏読みも知らずに暗記するのだろうが、少なくとも国語・社会の教育にたずさわる者は、その意味を知っているべきだろう。カルタなどの歌は、おもに万葉集の和歌が元になっているとは思うのだが、この万葉集というものは歴史研究にとってとても重要な資料である。

古田先生の研究によると、万葉集には当然、これに先立つ源・万葉集があった。後に大和朝廷はその都合の悪い部分をカットして(検閲)したので、『読み人知らず・・・』や『庶民の歌』などというまことしやかなウソがまかり通るようになった。考えても見てくれ、庶民が和歌なんて詠めますか?まして当時の庶民は字も知らないそうではないですか。仮に知っていたとしても、当時は万葉仮名ですぜ。つまり全部漢字!だいたい、現代の高等教育を受けた庶民でも、和歌なんて詠めませんし、詠もうとも思わないでしょうね。

実際、万葉集の歌のなかには前文で、『あるふみいわく(一本曰く)』というように、原本があったということを認めている。つまり、東国にも、出雲にも、そして九州筑紫にも、本家・万葉集があったに違いないのだ。

もし仮に、庶民が和歌と詠んだとしたら、当然それは朝廷の役人が聞き取って万葉仮名で記録するという作業が必要になるわけですね。

 


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