フェルメールの暗号 [ミステリ]
アメリカ・シカゴが舞台の少年・少女向け冒険小説。作者はブルー・バリエット(女性)。
舞台はジョン・デューイのつくった大学付属小中学校。本好きの少女ペトラとパズル好きの少年コールダーは6年生。ひょんなことから相棒となる。二人は、デューイの創設した有名な実験教室の伝統を受け継ぐ学校の生徒。授業を受け持つハッセー先生(女)は、当然、教科書を使った授業はしない。それどころか、今日、どんな授業になるかも予想がつかないのだ。気分次第でどんどん発展するからだ。
有名な画家フェルメール(数学者のフェルマーに似た名前ですな)の作品の一つがニューヨークからシカゴへ輸送中に盗難される。犯人は、新聞広告を出し、世界の美術会にある反省を迫る。意向に沿わねば、盗んだ作品を燃やすと恐喝する。
美術好きの女の子ペトラは、フェルメールの書いた女性の画像が突然、脳裏に浮かぶというオカルト体験をする。一方、パズル大好き文字大嫌いの典型的デジタルタイプの少年コールダーは、ペントミノパズルの暗示によって犯人に迫っていく。(ツインピークスもどきだ!)
12月12日、同じ誕生日で12歳になる二人の相棒は、つぎつぎに12にまつわる謎と暗示に愕然とする。数世紀も前の天才画家による導かれるように。二人の両親、近所のおばあさん、そしてなんと担任のハッセー先生までもが事件に巻き込まれていく。
尚、事件解決後、世界中の美術館で、フェルメールの作品は
フェルメールの作品と言われるもの
という風にプレートがひっそりと書き換えられたという。
序盤で展開される実験教室的授業がおもしろい。生徒達のさまざまな意見を聞きながら、課題は発展していく。
コールダーがポケットにいつも入れいているパズルはペントミノと呼ばれるもので、算数の問題にでる正方形の展開図のようなピース。L字やコの字型の5つの正方形(ペントは5つの意味か?)からなる12種類のピース。なんとこれらの組み合わせで、4000種以上の四角形が作れるという。
この本を読み始めたのが先週末。翻訳なのだが、けっこう読みづらくて、飛ばし読みが通用しない。さっぱり展開がつかめず、今週ようやく全体像がつかめたのだが・・・。
なんと菊花賞は枠連1-2で決まってしまった。しかも三着は⑫セイウンワンダー。
あー、12がサインだった!
死せるフェルメール、降龍を奔(はし)らす!
昨年、東京都美術館での「フェルメール展」は93万人以上の来館があったそうですね。見損なった私は残念に思っていたところ、先日フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を所蔵するオランダ・マウリッツハイス美術館展が、2012年7月から12月に、東京・神戸で開催されると発表されました。今度は是非観に行きたいと思っています。
by たいちさん (2009-10-30 15:28)
さすがたいちさんですね。
そういえば、この本の主人公の少女の頭に浮かんだ絵が、その『真珠の首飾りの少女』だったように思います。
展示を見る際は、ネームプレートに注意してみてくださいね。
by 降龍十八掌 (2009-10-30 17:44)