ドラゴン殺人事件(ヴァン・ダイン) [推理小説]
ヴァン・ダインの最高傑作は第三作のグリーン家殺人事件というのが定評です。確かに、そうなのでしょうけれど、実際に読んでみてグイグイ引き込まれたのがこのドラゴン殺人事件。
夜のパーティで、招待客の一人がドラゴン・プールと呼ばれるプールの飛び込み台からジャンプする。しかし、1分たっても浮かんでこない。しかし、死体がない。朝、水を全部抜いたのだが、死体はとうとう出てこなかった。
気の狂ったその邸宅の夫人は、ドラゴンのしわざよと嘯(うそぶ)く。昔からのインディアンのドラゴン伝説を夫人は信じ込んでいるようだった。ドラゴンは誰の目にも見えず、人をさらっていくのだ。
この夫人のフレーズいいですね。さっそく使わせてもらいました。人のパンをこっそり齧(かじ)ったときなんか、そ知らぬ顔で『ドラゴン(ピアサ)の仕業よ』って言えばいいんですからね。
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