第二芸術~桑原武夫(2) [読書]
一見、興味をそそるタイトル。一体、どんな意味なんだろう?
桑原武夫?なんかいかにも有名な作家のような名前だけど・・・
国語の教科書にでていたような?でも、似たような名前の別人かも・・・
ふと目に留まった一文庫本。
バカの壁ではないが、タイトルが興味をそそる。第二芸術。いったい、いかなる意味で使っているのかが知りたくて、一読してみた。
まず言い回しが古い。最初は二、三十年前の作品かと思っていたが、実は戦後間もないころの作品のようだ。
要旨は俳句(俳諧)は芸術とは言えず、二流の第二芸術と呼ぶべきだ。
というものであった。(著者は短歌も同様に考えているよう)
確かに、俳句は芸術という領域ではないかもしれない。いわゆる趣味の領域なので。しかし、NHKのBSで俳句講座みたいのがあるように、日本では俳句の同人誌は後を絶たないし、かなり世論の顰蹙をかったようである。
だが、当時、有名な水原秋桜子がのべた言葉が振るっている。
『もとより、俳句が芸術などとは思っていない。むしろ第二十芸術ぐらいのもであり、第二芸術ならば、18階級の特進であり、むしろ歓迎すべき』
という趣旨のコメントを寄せている。流石、大物が言うことが違う。(I都知事ようなケチなヒットラーとは大違い!!)
著者はこの本の結びで、当時の教育調査委員(今の国語審議会委員みたいなものか?)に
『俳句の解らぬ人が、何人いるのか?いささ不安を感じる』という反語を投げる。
ではここで、著者がやったように、私も全国の皆さんにちょっとした、テストをしてみたい。興味のある方はぜひ、コメントを頂きたいと思います。
次の作品の優劣を論ぜよ。なお、作者名は後日のお楽しみとします。
1 砂ぼこり トラック通る 夏の道(みち)
2 よく見れば 空には月が 浮かんでる
3 妹の 羽子板少し 劣りたり
4 雪残る 頂(いただき)ひとつ 国ざかひ(い)
なお、『第二芸術』のほかに、著者は『漢文必修』『歴史的かなづかいの復活』について批判的な意見の著書を書いている。国語学習に興味のある方は、一読されたい。(降龍は必ずしも、その主張に賛成はしていませんが)
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