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プロの文章 [推理小説]

GBA参加にあたり、プロの文章がどんなものかと思い、日本の推理小説を読み直している。

読んだのは、日本推理作家協会編・ミステリー傑作選23『あざやかな結末』

夏樹静子、佐野洋、小池真理子、などの10作品。あざやかな結末というほど、たいそうなものではないが、確かに文章は読みやすい。

水の流れのように読み進めることができ、違和感がない。これって、つまり必要十分な描写がなされているということでしょうか。

難しい単語も使っていない。日常会話とそんなに変わらない単語ばかりであった。海外の翻訳ものとくらべると、饒舌な描写が少ないと思う。もっとも、すべて短編だし、対象の読者層のレベルを低く設定しているのかもしれない。(皆さん、東大、慶応、早稲田大学の出身

海渡英祐(なんと読むのか?)の『杜若(かきうつばた)の札』中に結構、薀蓄があったので、ご紹介したい。

銀座の話。

明治7年に煉瓦(レンガ)街が誕生。ゴーストタウンのように敬遠されていた。

20年後ぐらい 東京一の中心街となっていた。『東京日日』『朝野新聞』の新聞街。

とこのあと、新聞社の歴史が紹介される。

大新聞 言論に重点を置いた文語体。

小新聞 社会ネタ(軟派もの)中心で口語体。

の区別がうすれて、今日のような総合紙、報道紙がうまれつつあった。

『東京日日』 毎日新聞の前身。へぇ~。

『報知新聞』 『郵便報知』を改題。へぇ~。

『時事新報』 福沢諭吉。へぇ~。

『朝日新聞』 明治21年。星亨(誰?)の『めさまし新聞』を買収して大阪から東京へ進出。へぇ~!へぇ~!(めざましテレビってこれのマネかい)

『日本』 独立新聞を唱えた。政党機関紙や営利紙に反対。

『国民新聞』 徳富蘇峰。軍国主義、政府よりの立場。

以上がおもな大(おお)新聞らしい。

では小(こ)新聞はというと。

『やまと新聞』 三遊亭円朝の高座を連載して当たりを取っていた。

『読売新聞』 明治7年創刊。

『万(よろず)朝報』 当時、新聞界に大旋風を起こしていた。黒岩周六。翻案ものを連載。また、政財界、宗教界のスキャンダルを取り上げ、社会悪に激しい筆誅を加えた。明治30年から赤色の紙を使ったので赤新聞と呼ばれる。へぇ~。

後に、内村鑑三、幸徳秋水先生らも社員として参加している。へぇ~。

『ニ六新報』 明治26年、26歳の秋山定輔が発刊。労働運動を支持。発禁されることしばしば。

『東洋日報』 もしかして、作者の創作か?主人公の勤める新聞社。

新聞社といえば、『おいしんぼ』の山岡さんの『東西新聞』を思い出すなぁ。

因みに、ダイイング・メッセージに使われた花札についても。

当時の金持ちは、金箔・銀箔をちりばめた豪華な花札を特注したりもしたそうだ。しかも札に和歌が書かれていた。こんな花札欲しいぃ~。

因みに私の聞いた話では、任天堂が今の地位を築いたのも花札(現在出回っているあのやすっぽいやつだろう)のおかげらしい。なぜなら、八百長を防ぐために一回使用したら捨てるので、ジャンジャン売れたらしい。

現代では花札、百人一首、暦など日本の文化がないがしろにされているので、大切にして欲しいものである。もちろん捕鯨も!!


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コメント 6

阿銀

着々と準備が進んでいるようですね~。龍師兄が読んだ作家の一人はうちの近所どす(汗)たまにお見かけしますが、ファンでないので声をかけにくいですわ(いやファンであってもプライバシーを害してはいかんですね)

私はこれにしようかなーというのが一つ浮上してきました。15年前に構想を練って、半分くらいは書いたのですがその原稿を引越しの時に紛失してしまったんですよねえ。なのでまた一からやり直しです。
締め切りまで間に合うのか、かなり微妙ですね…。
龍師兄の推理小説、楽しみにしてます!
by 阿銀 (2005-10-14 10:54) 

降龍十八章

銀儿、こんにちは。
推理小説ではありません、ノンフィクションです。ボクってウソがつけないんです。(つまり、口が悪い。)
でも、事実は小説より奇なりですよ。
早く、皆さんの作品、読みたいなぁ~。
by 降龍十八章 (2005-10-14 13:21) 

はなぽん

東京朝日新聞の前身が『めさまし新聞』っていうのは、
まったく初耳でした。朝刊だから「めさまし」と名付けられたとすれば
ある意味「めざましテレビ」のタイトルのネタ元といえるかも知れませんね。

完成度が高く優れた文章と、平易で読みやすく大衆に受け入れられやすい文章。
どちらがよいのか難しいところですが、売れているのは平易なものばかり。
日本語本来の美しさが失われないようにしながら、今の若者にも受け入れられる
文章を書ける人が増えてこないと大変なことになりそうです・・・。

追伸。ヒマなので調べてみました。
海渡英祐=かいと えいすけ だそうです。これもまた初耳でございました。
by はなぽん (2005-10-14 14:45) 

降龍十八章

秋桜さん、こんばんは。
ほんの一時売れるのでなく、50年100年残る文章を書くことができればなぁと思います。
うみわたりでなく、かいとさんでしたか。ありがとうございました。
by 降龍十八章 (2005-10-15 23:01) 

阿銀

>50年100年残る文章を書く
これですよ、これ!さすが龍師兄。最近の作家はここんとこがよくわかってないですわ。
by 阿銀 (2005-10-18 18:15) 

降龍十八章

どうもお恥ずかしい。
ガラスの仮面は時代に左右されないように、流行の事物を入れないようにしているそうです。(でも42巻では携帯電話は登場した)
日本文学ではなんといっても、夏目漱石ですね。2,3年前から『それから』『彼岸まで』なんかを読むようになり、つくづく名作とは時代に関係ないのだなぁと思うようになりました。
さすがに、小林秀雄までは食指が動きませんが・・・。
by 降龍十八章 (2005-10-18 20:03) 

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