太極拳の科学3 [拳法]
太極拳の発勁とは
胸を緩め、背中を張る感じで、気を一気に丹田に沈め爆破させ、腰部の回転ギアの主動力とし、肩から手へと勁力をつたえる。確かに完成に至るまでは年月がかかるだろうが、ある程度の段階に達っすれば、相当な威力を発揮するだろう。しかも年をとっても衰えない。
一方、南派の場合は、逆に胸を張り、腰背部の筋肉の瞬間的緊張により、筋力と発勁を同調させる。ブルース・リーもこの系統であろうか。(詠春拳。あの後背筋はすごい!)
ボクシングは水平な腰の回転から生み出されるパンチ。完全に筋力の賜物である。
同じ腰の回転でも、太極拳の場合は水平でなく、斜めの回転(らせん)である。
実際の太極拳の術者同志の試合となると(実際に見ることはないだろうが)キックボクシングのように間合いをとって、キック、パンチを出し合うのではなく、虚竹が垂直の壁を走り回りながら丁々発止と拳をくりだしたように、二人が密着したまま、拳や蹴りを繰り出しながら走り回るそうだ。
太極拳の用法には隠し技や応用として投げ技やきんだ術なども解説されているが、実際にはあまり過信しないそうである。あくまで発勁による打撃が主要とのこと。
なぜなら、大男を投げるのは難しいし、関節の柔らかい人間などにはあまり有効ではないから。
実際には空手などでも、発勁のレベルに達する人もでるのだが、(『シッ』とか息を吐きながら)本人に自覚がないから、技術として人に伝達もできないわけである。
降龍さんの記事を見て、少し懐かしくてコメントさせていただきます。
私が中国武術を始めた頃、師や先輩が何人かの武術家と引き合わせてくれて
まるで、武侠の世界に居るかのように、浮かれてた頃がありました。
当時私は、本門(専門的に学ぶ拳法や武器の事)を決めかねていた頃
基本功や少林拳の基本型ばかりやらされてました。
その時知り合った武術家の方たちは、どの様な武術があるのかを示してくれる為
それぞれ得意にしている拳法の発勁を、私に実際に食らわせてくれたのです。
どの人も、完璧に発勁を自己でコントロール出来るレベルであったので怪我や
内傷もなく、感触を味わえたのですが
太極拳は陳式は野球の硬球を強くぶつけられた感じ
楊式は空気の塊がぶつかって吹き飛ばされる感じ
呉式はセメントブロックで打たれた感じ
八極拳は、丸太で突かれた感じ
形意拳木の角がぶつかってきた感じ
詠春拳は鋭く突き飛ばされた感じ
蔡李仏拳は、木刀えで引っ叩かれた感じ
八卦掌はサーッと血の気が引くような痛み
洪家拳は、まさにド突かれた!って感じ
蟷螂拳は痛みを埋め込まれたって感じ・・・・・
もう様々でしたね。その時は痛いだけ。吹き飛ばされただけでしたが
今となっては、いい経験をしたと実感しています。
by 大井sigeki (2005-10-17 01:32)
トールパズさん、コメントありがとうございます。
すごい経験をされたのですね。気持ち悪くならなかったですか?
この本の中では、発勁のタイミングを実際の打撃のタイミングを合わせるのが難しいを書いてありました。発勁の爆発は瞬間的なので、当たる前に空気中に発散してしまうらしいですね。
by 降龍十八章 (2005-10-17 11:24)
気持ち悪くは無かったです。これらは全て痛みのレベルで
先輩諸氏は、止めてくれました
嫌悪感や気持ち悪い発勁は、大変高級な打ち方で
よく高齢の拳法家が、若い力持ちや威丈夫な人間に対して行なう打突
で「痛み」では無く強烈な「生理的嫌悪感」なので
体格の大きさや筋肉の鎧も防御の効果は無い打法です。
この打法には各門派、それぞれに独特な練習法とコツがあります。
喉を軽く押さえ横隔膜を掌で打てば呼吸の際、気持ちが悪くなるし
両乳首の下一寸を両手で点撃すれば簡単に気持ち悪くなり強ければ
強いめまいがして気絶するほどです。
(私も経験ありです)
モチロン発勁は空打ちしてしまうと拳や掌からスッ!と力が抜けるのが
分かります。
でもあんまり空打ちすると内気が消耗し体に変調が出ます。
なおコメントありがとうございました。お礼を込めて
こちらからも再度コメントですが、参考までに書いてみました。
御覧になってみてください。http://blog.so-net.ne.jp/3urawadai-1999-gennzaisimowadai/2005-10-17-1
by 大井sigeki (2005-10-18 00:37)
トールパズさん、
いろいろありがとうございます。大変、勉強になります。
by 降龍十八章 (2005-10-18 10:27)