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愚民論 [論評]

哲学者・適菜収さんの記事。(週刊新潮)

跋扈する愚民「B層」をC層は止められるか

という特別読み物。出だしは、めずらしく右翼批判の内容かと思いましたが、読み進めると論点がずれてきました。どうやら、民主主義はよくない・・・というチンプな論旨なのか?

民主主義はプラトンの時代は衆愚政治とよばれ、最悪の統治形態であることは知識人の常識でしょう。ちょっと前の小泉・竹中時代がその典型です!何もわからないバカが「改革!」のセリフに騙された。

このB層というのは、IQが低くて、なんとなく新しいものに流される集団と規定されており、小泉内閣はこのB層をターゲットにして大いに成功した。ちなみに、A層は方向は同じだが、IQの高い層で、これはかなりの少数派でしょう。

一方、B層の対角線上にあたるのはC層で、IQの高い保守系層。最後のD層はおそらく、「中国大嫌い」みたいな連中。(IQ低い層)

で、著者の適菜さんは、このC層=まっとうな保守ととらえているようだ。三島由紀夫を例に挙げて、C層を説明している。三島の「日本は近代史をあまりに早足に軽率に通り過ぎ」「日本はほぼ1世紀前から近代史の飛ばし読みをやってのけた」という文章にすべてが言い尽くされているという。

ということで、これだけではまさに「飛ばし読み」で(笑)、意味が解りません。おそらく、西洋の民主主義を盲目的に受容したという批判でしょうか?

しかし、これはちょっと単純な理解ではないか?明治政府の学者たちは、けっこう頭よかったと思います。彼らは真に西洋文明を理解してがゆえに、その民主主義の骨を巧妙に抜いた。それが現在の日本の刑事訴訟法です。いまだに、容疑者は弁護士不在のままで警察に長期間拘留される。海外ドラマでみられるような弁護士立ち合いのシーンはないわけです。そして陪審員もいない裁判が平然と行われる。だから冤罪が後を絶たない。

確かに、著者の主張のようにプロにまかせるべき分野はあるでしょう。だからといって、政治をまかせきっていいのか?単純にプロの政治家に任せるだけの代議制であっていいとはちょっと思えませんね。もちろん、なんでも国民投票であっていいわけではありませんが・・・。

プロに任せいけない分野。その代表は刑事裁判と競馬予想!

刑事裁判をプロにまかせたら、全部検察の勝利になりますがな(笑)。勝率99.9%。職業裁判官は常に政府よりですから、被告人は圧倒的に不利。裁判長はプロレスのレフリーみたいになりますよ。相手の反則は見ないフリ・・・。

一方、競馬予想。これは誰もがわかるとおり、まるで当たらないでしょ。デタラメ(ランダム)に出目を上げるより当たらない。つまり、彼らは完全に騙されているわけです。

民主主義は衆愚政治。人気投票。ですが、その危険性を減らすべく、多くの国民に分かりやすく説明する努力は不可欠であるべきだ。ただ、そういった出版物やテレビ番組がほとんどないのが問題だろう。

 

 


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