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日本にもあった武侠小説~国性爺合戦 [芸能]

元禄シリーズ第一弾

近松門左衛門(関西の人形浄瑠璃脚本家)

芸能・文芸関係の作品・人物を調べていると、おもしろいものにぶちあたります。近松といえば

『曽根崎心中』

が有名ですが、実際の心中事件を元に創作したものと察しがつきます。しかし、○○心中とかなら心中物かとわかりますが、題名だけでは話のわからないものが多いですね。

たとえば、 『冥土の飛脚』とか。なんだか、ちりとてちんでやっていた地獄に遊びにいく落語の題名っぽいので喜劇かと思いましたが、調べてみるとお笑いどころか、深刻な悲劇でした。

さて、今日の主題は『国性爺合戦』です。国性爺(こくせいや)は、なんか人のいいじいさん(=好々爺)が出てくる物語かと思ったら、なんとこれが!

ニッポン初の武侠もの でした。

国姓爺合戦(こくせんやがっせん)

江戸時代の作品ながら、主人公はなんと中国人の鄭成功!(最初、宦官の鄭和と勘違いしました。)

最初は和藤内(わとうない)という名前です。彼のことは良く知りませんでしたが、史実でも父は中国人で母は日本人だそうです。当時は中国の明朝が満州の清の勢力におされていたころ、明の復興をなしとげるという筋書きです。これぞ、武侠ドラマではないですか!(ただし、史実では鄭成功は戦に負けて、仕方なくオランダ人を追い出して台湾を征服します)

題名の国性爺は本来、国姓爺(明の皇帝から賜った名前)と書くのだそうですが、江戸時代にお上から実名はまずいとの行政指導があり、字を変えたそうです。日本名の和藤内も、日本人でも唐人でもナイというシャレからきているそうです。

せめて、題名を

国性爺英雄伝(こくせんやえいゆうでん)

とかにしてくれていれば、読んでいたかもしれないんですがねぇ~。

しかし、こんな面白い話が、なぜ、いまだに歌舞伎や浄瑠璃だけで演じられ、テレビや映画にならないのか疑問です。おそらく、ほとんどの日本人が知らないのではないかと思うのですが・・・

 

 


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コメント 7

降龍十八掌

ちぇるしさん、ありがとうございます。

他にも『碁盤太平記』とかあって、いったいなぜ碁盤がでてくるのか不思議でした。調べてみたら、碁ではなくて『忠臣蔵』の話でしたからビックリです。実はこれが、『仮名手本忠臣蔵』の元祖になったそうです。それにしては、一般的に名が知れていないように思います。
by 降龍十八掌 (2008-04-10 13:52) 

collet

『国性爺合戦』面白そうですね~
わたしもこんな映画、見たいです!
主人公が中国人と日本人の両親をもつということで、
金城武主演なんていかがでしょう~(~_~;)
by collet (2008-04-10 14:03) 

たいちさん

国性爺合戦の記事は、大変参考になりました。
by たいちさん (2008-04-11 00:10) 

降龍十八掌

colletさん、ありがとうございます。

さるかに合戦みたいなおとぎ話ではないんですね。シリアス歴史物です。
金城さんて、名前は知っているのですが顔がわからないんですよね。プロミスかなんか見たときは、誰が誰なのか?全然区別がつきませんでした。
ジンギスカンには朝青龍がいいと思いますけど???
by 降龍十八掌 (2008-04-11 12:26) 

降龍十八掌

たいちさん、ありがとうございます。
私も調べて、本当にビックリしました。『冥土の飛脚』もシリアスな悲劇のようですから、読んでみたいですね。
by 降龍十八掌 (2008-04-11 12:27) 

ミツ

映画になってます。DVDにもなってます。
ですが、なぜかいくら検索してもでてこないんですよね・・・。
かなり面白かったのにな・・・。
by ミツ (2008-09-12 09:00) 

降龍十八掌

ミツさん、はじめまして。
情報どうもありがとうございます。
映画があるなら、ぜひ見てみたいものです。
by 降龍十八掌 (2008-09-12 09:11) 

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