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神の国は来なかった? [超常現象]

鈴木宗男議員のロシア疑惑で、一躍、悪玉にされた起訴休職中の外務省の佐藤優外務次官が、なぜか『ユダの福音書』について文芸春秋で語っている。といのも実はこの人、同志社大学の神学部の出らしい。流石、日本の怪僧ラスプーチン。

タイトルはなんと『21世紀最大の発見』!!とある。へッ?たかがキリスト教の古文書が最大の発見ですか。あんたはキリスト教徒か?とまあ、キリスト教の悪口はやめておいて、この寄稿の趣旨はいったい何なのか?宗男議員の弁護なのか、あるいは自分の名誉回復・売名行為なのか?

トリビア的知識として、イエス・キリストの意味を説明。(ただ、イエスがあの有名なヨシュアの訛りでイエシュスであるとは書いていない。)キリスト=メシアも単に『油を注がれた者』=救済王であると説明するのみ。(ここは少し、シロウトにも解るように説明が必要だろう。もともとこの『油をそそがれた者』とはダビデ王のことだと。イエスは実はダビデの子孫ということになっているのだから。つまり、救済王とはイスラエルの王様ということだ。)

なかなか鋭いと思ったのは次のくだり。

『初代キリスト教徒はイエスに関連する書物を編纂することに関心はなかった。つまり、弟子達はイエスの言葉から世界の終末がすぐに来るだろうと考えたので、言行録の作成より布教が先だと考えた。』

ところが、この世の終わりは来なかった。『私はすぐに来る』と言ったイエス様もいつになってもやってこないではないか!!(神学上は『終末遅延』というらしい)ということで、しかたない、未来の人のために、新約聖書をつくりって伝えましょうということになったらしい。

(中略)

ところが、『確実なキリスト証言』を確定することは不可能である。そもそも、イエスが本当に実在したかどうかすら、100年以上の研究の結果、証明できないことがわかったからである。(おいおい、そうなのか?!)これにより、多くの神学者は無神論に転向した。有名なフォイエルバッハもその一人だという。ただ、1,2世紀にイエスを信奉する教団・集団があったことだけは確かなようだ。

さて、問題のユダだが、一般庶民の間ではまさに、裏切り者。北斗の拳でも卑怯な奴として描かれていますね。西洋ではイヌにさえつけない名前らしい。ある国では子供にユダという名前をつけるのは違法とされるくらい、忌み嫌われているのだ。一方、神学の世界ではユダは単なる裏切り者ではない。この辺は『ダビンチコード』でも説明されているので、皆さんもご存知だろう。むしろ、ユダこそ、イエスの命令を実行したもっとも信頼厚き友であったと考えられている。だからこそ、裏切り者ではなく、十二使途(弟子)として書かれているのだ。そもそもペテロを筆頭に、

弟子全員が結果的にはイエスを裏切っている

のだ。ところが、ユダだけは特別なのだ。その後、ユダは自殺、あるいは地の底に落ちて体が割れたとか、悲惨に結末を迎えたと記録されている。

中略

最後に筆者はこういう。キリスト正派は正と邪を線引きし、敵を殲滅することで問題を解決してきた。うーん、なんか『笑傲江湖』の世界になってきたなぁ。その結果、宗教裁判や宗教戦争のオンパレードとなってしまった。しかし、これはおよそ神や

イエス様の教えとはかけ離れている。!!

つまり、寛容の精神がまるでないのだ。

グノーシス主義をも認め、イスラムさえ認める多様な多元主義が今の世界には必要ではないのか?『ユダの福音書』の発見は、西洋文化を多元的な価値観を持つ方向に向けるであろう。まさに『神の見えざる手』が働いたとし思えない。と筆者は結ぶ。

(終わり)

怪僧ラスプーチン、なかなかいいことを言いますね。

イエスの死後から2000年。Advent=再臨とは、この『ユダの福音書』がもたらす、まさに

福音なのかもしれませんね。(降龍)

注釈

ノストラダムスの『大予言』の最終結論では、例の恐怖の大王(畏怖・畏敬すべき大王)とはキリストの再臨だという。(確かに辞書にも大文字のAdventとは再臨とある)

予言・預言

中国語では予言を預言と書く。ということで、昔(旧かな使いのころ)は日本でもこう書いていたという話を最近読みました。別に預かるという意味ではないそうです。どうも、広辞苑ですら間違っているそうです。内村鑑三の訳も別に深い意味はなかったかもしれません。三国誌を三国志と書くのと同じことですね。

 

 

 


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Cecilia

100nice踏ませていただきました!
降龍さん、旧約学は大学で学ばれたのですか?
たぶんキリスト教主義大学ではないだろう、と想像し、国立大学のあそこかなあ?とか想像していますが・・・。
「ユダの福音書」、興味あります。
いろいろ考えると「裏切り者」として予定されていたユダがかわいそうで・・・。
(「ジーザス・クライスト・スーパースター」では狂ったように苦しんでいますね。)

非常に興味深い内容ですね。
by Cecilia (2006-06-27 00:18) 

降龍十八章

Ceciliaさん、わざわざ100回目に合わていただきありがとうございます。
確かに小生は某国立大学の出です。ただ、聖書学を学んだことはありません。ちょっと習ったのが、確かイザヤかエレミア書だと思います。五島勉の『大予言』関連の本はほとんど読みましたが・・・
J・C・スーパースターはミュージカルみたいで見ていません。(ああいうのは、体が受け付けんのです)ただ、昔はよく町の柱や壁に『神の国は近づいた』とかの張り紙がよくありましたね。5歳まではお祈りしてアーメンといってからご飯といただいていた良い子の降龍です。
by 降龍十八章 (2006-06-27 00:50) 

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