日本書紀の真実3 [歴史]
日本書紀~塗り替えられた古代史の謎 (関 裕二 著)のつづき
1 序文にあるように本当に天武天皇の命令で編纂されたのか?
通説では、素直にこれを肯定する。理由は『そう書いてあるから』。まるで、子供の返事のよう。
まともな有力説でも、近江朝(持統天皇以降)により書き換えはあっただろうが、あくまでもきっかけはフジテレビでなくて、天武天皇の命令であったと考えるのが多い。
だが、以前は『6世紀以前は作り話』だが、『大化の改新以降は正確な史実だ』といわれながら、近年の考古学により出雲が実在したことも判明し、むしろ
5、6世紀までは比較的、事実を反映しており、むしろ成立年代の近く8,7世紀ほどウソくさい
と著者は述べる。
2 書記作成者のプロファイリング
これは、別の本になるが、少なくとも二つの系統があるらしい。つまり、言葉づかいなどから前半は日本語の発音に不慣れで、中国語に詳しい人が執筆した。そして、後半は日本人らしき者が執筆したという。また、なにかネタ本があった思われる。いずれにしろ、実際の執筆者は通説にいうところの某親王ではないだろう。
3 天武天皇の前半生
書記の記述ではなんと、大海人皇子は天智天皇と母親まで同じ兄弟だったとある。しかし、そんな兄弟がなぜ、大化の改新や百済出兵に登場しないのか?
しかも、編纂を命じたはずの肝心の天皇の生年月日も不明とは?こんなバカな話があるか?
だが、我が皇国?の歴史学会では疑問は許されないらしい。
また、ところどころ登場する天武天皇も皇弟とか表現されており、本当に大海人皇子という人間を同一人物なのか疑わしい。なぜ、はっきりと書いていないのか?
4 今回の新発見~天武の東国行き
天武天皇が天智天皇の暗殺をおそれて、東国へ逃げたことは有名だ。まるで、本能寺の変のときの家康のように。一説では、神武東征の伝説はここから創作されたものだという。(但し、筆者は否定。なぜなら、書記は天武朝の手によるものではないと考えているからだ。)
だが、これって、本当は白村江の戦いで破れたため
唐・新羅連合軍(実質的には新羅軍だったろう)が北九州から攻めてきたために、逃亡したというのが本当ではないか?
だからこそ、正史?には書けなかった。新羅側の歴史がどうなっているかわからないが、それなら話は分かりやすい。
*朝鮮は名前すら中国風に改めた国なので、歴史書なども残っていないらしい。とくに古代の朝鮮のようすはわからないらしい。また、中国側の方も、さんざん痛い目にあったらしく、証拠隠滅のため隠されているようだ。三国の魏の曹操でさえ、本当は敗北したのではないかという説もある。
私見だが、倭国存亡の危機となったため、豪族はそろって反天智同盟を結束し、天武を盟主として天智の首を新羅側に差し出したのではないか?
ただ、その天武王朝がいつのまにか近江朝にのっとられたのが不思議!!
*著者は中臣鎌足が亡国の百済の皇子と推理する。
では、天武=大海人皇子とは誰なのか?もしかしたら、新羅系の人かも。あるいは伝説の加羅(伽耶)の王族かも。いずれにしろ蘇我系(出雲系)の血も引いているのではないか。
5 アマテラスが皇祖神?
さにあらず!本当はニニギミコト(だったと思う)らしい。そもそも
太陽神とは人間の先祖神ではない!
実はイザナギ、イザナミのところでも、ちゃんと皇室の先祖は記載されているのだ。それがいつの間にか太陽神のアマテラスにすりかわっちゃっているのだ。しかも、本来、男神であるのに女神に変えられて。
*でこのニニギの子孫が出雲、引いては物部、蘇我、天武と繋がっていくという説だったかな?
アマテラスは持統天皇の権威付けのために作られたという説もありますね。
女性天皇の正当性を押し出すためというか、「原始女性は太陽であった」的な発想で作り出された女神なんでしょうか…。
by 阿銀 (2005-12-05 15:21)
いわゆる、ウラの通説ですね。
最近は、もっとすごい大ドンデン返しの説がないかと期待しています。アッと驚くような新説があるといいのです・・・
by 降龍十八章 (2005-12-06 17:56)