フランス白粉の謎2 [推理小説]
けっこうおもしろかった。これはお勧めです。国名シリーズの第二弾なので、初期のものらしい。
推理小説として模範的な内容だと思います。
ニューヨークのデパート社長フレンチ(題名がフランスだからか?安易な命名)には
先妻との間の娘 マリオン・フレンチ と
後妻のウィニフレッド
その後妻の連れ娘も バーニス・カモディー(カモディーは父の姓)
がいる。
また、彼には秘書のウエストリーがいる。(これが実はエラリーの友達)
フレンチはデパートの合併話をすすめていたのだが、その会議の日の正午に妻のウイニフレッドが死体となって発見される。往来に面するショーウインドウの中の壁に埋め込み式のベッドのから、転がり落ちてきたのだった。
なんともショッキングな始まり。一体、なぜ妻は殺されたのか?(まず、理由が問題)
また、どうして死体をそんなところに隠したのだろうか?
当日(火曜の午前)は合併問題の会議が朝からデパートの6階(最上階)のアパートメントで行われており、重役連中はすべて出席していた。
登場人物=容疑者は次の通り
社長=フレンチ(夫だけに一番怪しい。しかも悪習防止協会の会長をつとめる堅物)
後妻の娘=バーニス(前日から失踪中。親子だけに動機がある)
社長の娘=マリオン(なさぬ仲だけに動機は十分)
秘書=ウエストリー(エラリーの友人だし、いい人なので、犯人ならビックリ。意外性がある)社長の実娘のマリオンといいなかになっている。
重役=トラスク(父の跡を継ぎデパートの重役 バーニスの婚約者。財産狙い?)
元夫(つまりバーニスの父)=カモディー 骨董商をしている
デパートに勤務する探偵や従業員、作業員も何人か登場
さて、肝心の後妻の娘は(どうやら麻薬中毒)前日から失踪。母を殺して逃げたのか、それとも、彼女も既に殺されているのか?なお、遺言で母の死んだ場合、財産は当然ながら彼女のものになる。
そもそも怪しいのはフレンチ社長そのもの。合併を進めているのは、どうやら財政が苦しいからか?だが、妻を殺しても金にはならない。何かのいさかいで殺したとも考えられるが。
さて、エラリーの調査と推理
1 殺人現場(ショールーム)
・死因は二発の銃弾。だが、出血が少ない。よって、外の場所で殺されたことは明白。
2 6階(最上階)のアパートメント(会議室、ゲーム室、社長の寝室、書斎などがある)
・ゲーム室にはトランプとタバコの跡があった。ゲームの種類とタバコの銘柄から、どうやら死ん だ妻とその娘のバーニスがいたらしい。
・化粧室ではカミソリの刃がなくなっていた。
・会議室には机の上に本立て(ブックエンド)が。
これら些細な点に非常に興味をもつエラリー。
話は終盤にちょっと意外な展開になるが、そのロジックにひっかからないように。でも、なんとなくドラマなんかでよくある展開なので気づくかも。(もっともこちらが本家かもしれないが)
コメント 0