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肩甲骨の0(ゼロ)ポジション [ゴルフ]

昨日、ブックオフで偶然見つけた本。『ナイスショットの真実』著者は手塚一志さん。甲子園で有名な池田高校(徳島県)を卒業後、大阪体育大学・筑波大学大学院・東京大学大学院でスポーツ科学を専攻したとある。

数々のスポーツ研究をもとに、ゴルフのナイスショットを科学的に分析した名著だ。ゴルフの入門書は腐るほど書店にならんでいるが、結局は著者の主観的な思い込みと感性からくるものがほとんどで、『なぜ?こう打つべきなのか』という原理が示されていないという。

なるほど、まったくその通り。

ゴルフ入門書は、ほとんどがゴルファーによるものなので、スポーツ全般を通した科学的な考察にかけている。またゴルファーならではの常識と先入観というものも多分に入り込んでいるきらいがある。

この本では、まず日本独特の『左の壁』というものを全否定している。日本の多くのプロゴルファーも、実際はそんな打ちかたはしていないのにもかかわらず、この左の壁というものを作っていると錯覚しているらしい。

著者が着目したのは医学用語における肩甲骨の0ポジション。いわゆる、グリコの万歳フォームだ。両手を斜めやや前方に突き出すガッツポーズ。なにもガッツ石松だけの専売特許ではなくて万国共通のポーズだという。このとき肩甲棘(きょく)と上腕骨が一直線になるので、0ポジションといわれる。千代の富士のように肩を脱臼したときには、このポジションで入れると楽に入るらしい。肩周りの筋肉群がパラシュートの糸のように中央に向くからバランスがとれるんだね。

野球のピッチャーのように腰をひねって、なおかつ上腕をひねると理科で学んだコリオリの力ってヤツが働くんだよね。藤川球児のスローをみても、投球後は手の甲がまるでシュートを投げたように内側に90度回転しいる。もちろん、本人は手首を返すという意識は全くなく、まっすぐに投げているんだけどね。そういえば、以前、ボクシングの長谷川穂積のスローを見たら、同じように掌が外を向いていましたね。完全に脱力しているからでしょう。

さて、この0ポジション、グリコの姿勢でないとダメなのか?というと、そうじゃないんだな。だって、それだとアンダースローのピッチャーや、テニスの選手は肩を痛めてしまいますからね。

実は肩の関節は人体の中で唯一、移動できる骨なのだ。肘や膝関節が上下に移動!・・・したら気持ち悪いけど、肩は上下左右に円形に移動しますからね。テニスのスマッシュなんて、右肩が下がり気味になるけど、これは完全に下向きの0ポジションなんでしょうなぁ~。だから、エースを狙え!のひろみのライジングショットなんて、とても理にかなっていると思いますね。当然、ゴルフや野球の打撃においてもこの下向きの0ポジションが重要になってくる。

昔の長島のフォームなんて、最初から0ポジションに入っているらしいし、独特の猫背だった青木イサオのフォームも感覚的に0ポジションを取り入れていたらしい。確かに、大リーガーの多くがクラウチングスタイルで構えるけど、あれは理に適っているいるんだね。逆に日本人バッターの多くが剣道のように直立して構えるけど、だからダメなのかもしれないね。

 


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たいちさん

私はゴルフはしませんが、テニスをしているので、興味ありますね。
by たいちさん (2011-06-17 23:21) 

降龍十八掌

きっと中国拳法も、このへんの運動生理学を熟知して構成されているのでしょうね。
by 降龍十八掌 (2011-06-17 23:30) 

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