SSブログ

法の精神(元法学徒の主張) [政治・思想]

某事件での裁判を欠席して非難をあびている弁護士が話題になっている。

ワイドショーでもブログでもやり玉に挙げられて『悪いやつだ!』などの批判のオンパレード。彼らの論理は、被告人がまるで真犯人と断定していることに成り立っている。さらに、そんなやつを弁護するのは人間ではない。という論調なのだ。

ちょっと待ったぁ~!!

被告人は犯人と限らない。本当に犯人なのかどうなのか?それを調べるのが裁判なのだ。(正確には有罪を立証するのが裁判。無罪を立証することではない!)

自白があるから有罪とは限らない。(アホなゲストが『だって自白があるんですよ』といきまいていたが、毎日密室で尋問されたらたいていの人は自白するんですよ。というより、意識が朦朧として自分の記憶がなくなるんです。ダレでも昨日の朝飯さえ何か覚えていないでしょ。つーの

被告人は無罪と推定されている。(警察はしばしば、冤罪犯人をつくる。)専門的には、弁護側は半証拠をあげるだけもいい。つまり、検察のいうことに、『あれ、おかしいじゃん?』という疑いを抱かせるだけでも、無罪となるのである。繰り返すが、立証責任は検察(国家権力側)にある。強大なバックをもつ国家権力がわとタイマンである以上、弁護側・被告人側は圧倒的に有利な立場にいなければならない。

・・・というのが近代刑事訴訟法の原則です。

本当に殺意があったかどうかなんて、神にしかわからない。(いや神でもわからない。というより、神なんていない。)

死刑廃止論なんて、大昔からある。フランス革命だって死刑廃止が主な内容だった。(実際にはギロチンで毎日殺しあっていたが・・・)

むしろ、頭の固い裁判官がいかに多いか!

それこそ問題だ。あなたは自分の運命を政府や上司にいいなりのたった一人の東大出のインテリ裁判官に、まかせることができますか?

まして陪審制がない刑事裁判なんて非文明国の産物である。

まさに国家の品格にかかわる大問題である。


nice!(0)  コメント(3)  トラックバック(1) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 3

チヨロギ

概ね賛成です。
>そんなやつを弁護するのは人間ではない
これは非常に危険な論調ですね。
でも、
>政府や上司にいいなりのたった一人の東大出のインテリ裁判官
この偏見に満ちた言い方は気になります・・・というより傷つきます。
亡父は東大出の判事でしたが、叔父の一人は大学に行かず独学で判事になりましたし、父の葬儀委員長を務めた方は、働きながら日大の夜学を出て判事になった苦労人です。「いいなり」の「インテリ」だなんて、とんでもない。
現行の裁判制度に問題があることはわかりますが、それを指摘するために裁判官をステレオタイプ化するのはちょっと・・・。たしかにキャッチーではありますけれども。
by チヨロギ (2006-04-25 02:15) 

阿銀

そろそろ一般人も裁判審査に参加する制度ができるようですね。それ自体には賛成ですが、私みたいなビビリ屋には精神的負担が大きいかもしれません。
まあ、事件の内容にもよりますが…。

まだ日本はいいですよ、C国なんてすごいですから…。
うちの中華社員の幼なじみは死刑になりました。まあ、お互い酔っ払った上のけんかとはいえ、結果として相手の命を奪ったわけですからしょうがないかもしれませんが…。
日本だったら、過失致死になるのかな。
by 阿銀 (2006-04-28 11:25) 

でか

確かにTVでもなんでも、一律に例の弁護士のチームを非難されてますね。
>被告人がまるで真犯人と断定していることに成り立っている。
極悪人を弁護することが問題ではなくて、裁判を無断欠席したことは、
僕は許せないですね。
>本当に犯人なのかどうなのか?それを調べるのが裁判なのだ。
だからこそそれを放棄するような行動が非難されていると思います。

昨日報道されていた、二人暮しの姉妹殺害の事件。こういうときに弁護側が
責任能力云々を出しくくるの、何とかなりませんかね。責任能力がないなら
なおさら、残念だけど社会に出すわけには行かないとおもいます。
by でか (2006-05-02 08:38) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

現代の驚異(英語)久しぶりの勝利 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。