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小説の筋・論争 [読書]

たいちさんの記事(谷崎潤一郎記念館)で知った、芥川龍之介との『小説の筋』論争。

こんな話があったなんて、まるで知りませんでした。もし、高校の国語の授業で聞いていたら、国語をもっと勉強していたでしょうね。 

ざっと見たところ、芥川は、『筋書きの面白さより、表現にこそ芸術性がある』。と主張しているようだ。別の言い方をすれば、『筋書きの面白さとは芸術性は別次元のものである』ともいえるか。

言い得て妙なのは、『文字にして書かれて、初めて面白いと思えるようなもの』 にこそ、芸術性がある。

また、別の言葉では、筋書きとは、絵画におけるデッサンのようなもので、デッサンよりも、色彩に生命を託した絵画。そういうものを、私(=芥川)は書きたい。・・・とも書いている。

別の例えでは、味の濃いものだけが美味しいのではない。味が濃いから、味が良いということにはならない。華美なものだけが美しいのではない・・・とも言っています。

なるほど、なんとなく分かるような気がします。

さらに、掘り下げてみると、小説(作品)の芸術性とは、(筋書きではなく)詩的精神や作家自身の詩的精神の深浅によるものだ。・・・とも言っています。なるほど、漢詩のような美しさが芸術性というわけですか。確かに詩(特に漢詩)には、筋書きの面白さようなものは無く、あるのは表現力(修辞)と(文人)の内面精神世界の表現だけかもしれません。

確かに、私の好きな探偵小説のような話の筋やトリックの突飛さだけが主となる小説が芸術的とはいえませんからね。まあ、だから小説といってバカにされているわけですが。長い間、学問といえば、漢詩でありましたからね。


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たいちさん

私の記事を発展させていただき、有難うございます。
by たいちさん (2012-02-23 21:06) 

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