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ハーメルンの笛吹き [考証]

ハーメルンの笛吹き

『人狼城の恐怖』(二階堂黎人・にかいどうれいと著)のモチーフとなったドイツの伝説・物語。因みに『人狼城の恐怖(全4巻)』は世界最長!の推理小説。

いったい、この伝説の真意はどこにあるのだろうか?また、どのような史実が反映されているのだろうか?

長い間、考えてきたのだが、なかなか結論がでない。今日、たまたま市民病院の貸し出し図書で、子供向けの本を読んだら、私の知っているハーメルンとちょっと話が違っていた。普通は、最後の場面で、盲(めくら)の子と唖(おし)の子が返してよこされる・・・と思うのだが、今日読んだ本では

・笛吹き男を追っていったお父さん・お母さんたちが山のふもとで安心したところで、男はアリババみたいに『開けぇ~ゴマ』とばかりに、トンネルの扉を開けて消えてしまう。

・お母さんたちは、泣いて悲しむが、お父さんたちは黙りこむだけ。お父さんたちが悪者にされているように描かれている。

・脚が悪くて追いつけなかった子供は、あの光のトンネルの中に入れなかったことを後悔する。『きっと、あの光の世界には遊びばがいっぱいあるんだ』と悔しがる。

・盲の子や唖の子が戻ってくるというオチがない。

人狼城では、後のナチスにつながる人体実験に利用されたという筋だが、これはどうも説得力がない。一般的には、少年十字軍とか、口減らしのための人身売買(当時は珍しくない)、ハンガリーなどへの集団植民説があるようだ。

ただ、これらはいずれも大人側からの視点であり悲劇と捕らえているが、子供たちの側からの視点であれば、確かに理想の子供の国を目指したというハッピーエンドとも考えられ得るよなぁ~。

歴史的には、ハーメルンの市役所が公式に記録していることらしく明らかに史実であるようだ。時代的には、モンゴルの侵入があった1284年のことという。事実、ハーメルンの歴史記録はこの事件以前のものはないという。

事件の発端となったネズミの話は、かなり後世の1559年ごろに付け加えられたものらしく、本筋ではなかったようだ。となると、象徴的なのは、派手な服の男がラッパを吹いて行進したということになる。確かに十字軍のような軍事派遣ならば確かに、花々しく行進して出発したであろう。

ただ、130人の子供たちは、男子だけでなく女の子もいたという話だから、軍事説は無理がある。

すると、有力は東欧への集団植民説。過去に学者が検証したところ、当時のハーメルンの苗字が現在のポーランドなどの東方植民地で多数見受けられるという。

教会の影響

この事件はハーメルンの教会のステンドグラスに記載されていたという。そして事件が発生したのは6月26日という聖パウロ・聖ヨハネの記念日だった。これらのことから、どうも首謀者は教会だったような気がする。笛吹き男は植民指導者であり、教会の回し者であったのではないか。

どうやら、現在、最も説得力のあるのは、この集団植民説。子供というのも少年・少女という意味ではなく、我々の同族という象徴的な意味のハーメルンの子らという意味だったかもしれない。当時の政治は男たちだけの意見で決まったであろうから、ハーメルンの男たちが金で子供たちを売ったのもうなづける。だから、物語でも男たちはうなだれて黙りこんだが、泣いたりはしなかった。またパイプの持つ魔力も、象徴的に説明できる。

だが、こういった説でもおもしろくないんだよなぁ~。もっとも、この説にも問題はある。

・移民ならば堂々と歴史書に残せたはずだ

・移民ならば子供だけのはずが無い

尋常な理由ならば、はっきりと書けた筈である。逆にいえば、はっきりと真実を書けなかったほど恐ろしい事件だったか、本当に理由が不明の失踪があったのかということになる。

妖怪人間ベムでは、金曜日の夜になると女たちが化け物になるので、お父さんたちが昼間、子供たちをさらっていたんだよねぇ~。

ある説では、証拠はないが、

・バラバラにされた死体もあった

・木につるされた死体もあった

という。うーん、やはりこうでないと。なんらかの犯罪、事件と関係あったのかもしれない。いずれにしても、障害のある子供たちは除かれたということに対する、納得いく説明がないんだよなぁ~。

 

 

 


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コメント 2

たいちさん

ハーメルンといえば、ネズミ捕り男を連想するくらいで、詳しいことは知りませんね。
by たいちさん (2010-09-02 22:43) 

降龍十八掌

なんとも不思議な話で、大好きなんです。
いまだに、謎が解明されていないので、興味がつきないです。
by 降龍十八掌 (2010-09-03 09:59) 

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