大学センター試験講評(国語) [国語]
平成21年センター試験の国語
今、大問2の小説と大問3の古文をやってみたところ、評論と漢文に続いて小説も満点でした。古文も満点かな?と思っていたらら、2問間違ってしまいました。
しかし、よく見ると設問が『適当でないものを選べ』という問題だったので、一つは勘違いだした。おかしいと思いました。
で、唯一まちがったのが、常盤がなぜ?手紙(文)を投げ入れたのか?と言う設問。
当然、答えは①常盤自身が頭にきたから②主人に対する失礼に腹が立ったから
のどちらかなわけですが、つい①にしてしまいました。つまり、無駄足をさせられキレたと思ったんですね。まあ、実際はそうだとは思うのですが、よく選択肢を見ますと
①・・・無駄足となってしまっているので、わずらわしく思っている
となっています。文脈はあっているのですが、わずらわしいという表現が間違いですね。言葉に対する敏感さが不足でした。わずらわしいのではなくて、腹を立てている、いまいましく思っているというのが正解ですね。
今回の国語の問題、例年と違って、とても素直な問題ばかりでした。こんなことはめずらしいですよ。漢字や語句の意味はごく常識ですが、内容把握問題もまぎれのないものがほとんどでした。特に、毎年、最初の論説はわけのわからない話が多いのですが、今回は『かくれんぼ、缶蹴りオニ』を話題にした、誰でも理解できるものでした。なお、漢文も古文も現代文と同じように解読できるものばかりで良問だと思います。現に、古文の単語や文法なんてほとんど知らない私がほぼ満点ですからね。国語のカリスマ・出口先生のいうとおり
古文・漢文は現代文と考えて解け!!
ですね。ほんと出口先生は偉大です。
さて、問題の古文は『一本菊』です。とても面白い話なんですが、話が途中で終わってしまいました!おいおい、最後の結末はどうなってんの!!
(あらすじ)
兵部卿宮(ひょうぶきょうのみや)は、懇意の家来・兵衛佐(ひょうえのすけ)の家にあることを知り、その菊を献上させて、由来を尋ねる。
兵衛佐『父が鞍馬寺でもらい家に植えたものですが、死んだ後、妹が父の形見にして見たいといって惜しでとっておいたのものを献上したものです。』
兵部卿宮『その妹さんは、母が播磨の三位である帥の局ですか?』
兵衛佐『いえ、私と同腹の妹でございます』といったところ
兵部卿宮は、『兵衛佐は、なかなかできたやつで、殿上人にも肩を並べるものがいない。まして女の身である、彼の妹ならば、さぞや美しくすてきな女性だろう。ぜひ、会ってみたいものよ。』と思う。
さっそく、宮はお付きの少女の常盤に菊の花をつけて、文を持たせる。常盤は、件の妹の家にいき、格子に文をさして帰ってきた。
女房たちは、その文を見つけて、主人の兄である兵衛佐にご注進する。兵衛佐は喜び、さっそくお返事を差し上げるようにと伝言する。
しかし、・・・・
妹はなぜか、返事を差し上げない。
常盤が妹の家を尋ねると、女房たちが『人違いでしょう。さあさあ、お帰りなさい。』と追い返されてしまう。さらに、また舞い戻って取次ぎを頼む常盤は、またも断られてしまし、とうとうキレて、文を投げ込むありさまだった。しかし、それでも返事がない。
宮は、帝の腹違いの弟。いまや、母上の耳にも噂ははいっただろうし、なんとも情けない・・・・と思いつつもやっぱり思いは捨てがたい。それを見ている常盤は、少女ながらなかなか賢い子で、一計を案じる。
『宮さま、今夜は兵衛佐殿も宿直(とのい)ですし、車の出入りも激しゅうございます。これにまぎれて、忍びでお出かけなさってはいかが?』
ということで、宮は今夜こそとばかりお出かけになる。当然、少女、常盤もお供につく。
終わり・・・
えっ、その後どうなったんでしょうか?そして、妹はなぜ頑なに宮を拒んだのか?これは単なる、ジラシ作戦なのかぁ~?
たぶん、アレが理由じゃないかとは思うんですけど・・・
「古文は現代文と考えて解け」は、簡単なようで難しいことですよね。
by たいちさん (2009-01-24 14:41)
たいちさん、ありがとうございます。
そうですね、逆に言えば、それができるレベルにまで実力がついてないと無理ってことですからね。
by 降龍十八掌 (2009-01-24 17:27)